いのちの食べかたという映画を見てきたけど、つくりがおかしすぎた。
全体としては、全身打撲で済むのか怪しいくらいに速いベルトコンベアで流されていくひよことか、
真緑色のライトに照らされた巨大な密室の中 生命をはぐくむという情念は皆無の植物水やりシーンとか、
いかに食のための効率が追求されているかが よく分かる映画だったよ。
他、暴徒鎮圧の放水車のごとく 極太ホースで牛そのものにぶちまける餌やりだの、
雄牛の子種搾取や豚の強制受精、牝牛の帝王切開など、
そりゃR12指定にもなるよなあってシーンが満載。
「工場で大量生産される機械のパーツのように」 ですらでなく、
まるで蛇口から噴出す水のように扱われる鶏なんかは印象強すぎ。カゴに入れられた時点で首折れてるのもいそう。
っていうか鶏なんて、死後の方が丁重に扱われてるからね。
「命って何かね?」 と思わずにはいられないよ。
また、食物に対するありがたみを描くためでなく、
人間自身もまた社会の歯車なのだとのメッセージとして 人間の食事シーンを挟んでいるのも気持ち悪くてナイス。
最初にパンフで食卓写真を見た時は、
「食物連鎖か、食事のありがたみを映したカットだな」と捉えたけれど、
実際に映画で見てみたらそれは人間への餌やりシーンでしかなかった。
「動植物 = 食物になる存在、人間 = 食物に加工する存在」であり、
ぶっちゃけどっちも工場を運営する要素でしかありませんよねー的な。
食の効率は、何のために追及されてるんだ? ってお話。
はいはい。
映画の内容は上記の通りなんだけれども、それより構成が変なので見ていて凄く眠かったりだ!
食事シーンはともかく、
人々がバスに揺られてるシーン (工場見学?) までも延々と流す意味が分かんねー。
数万羽単位で飼育されてそうな鶏小屋を歩くシーンとか どう考えても尺取りすぎ。
この映画、削れる部分をカットしたら30分は縮まりそうだ。
そうすると映画が1時間切りそうだから入れたのかなあ (映画全体は1時間32分)
あと何の説明もないからスゲェ分かりづらい。
ナレーションが無いのは映画のためで好印象なんだが、
作業説明の字幕1つすら無いから、場面によっては何をやってるんだか全然分からん。
企業秘密だとかで撮影先から伏すよう言われたのだろうけど、それにしてもどうにかしてほしかった。
それと構成が変。
今ひよこを運んでたと思ったら、次は植物育ててますよとか どういう順番だよそれ。
しかもその後にひよこがまた出てきたりするし。
つーか開始10分くらいに出てきた鶏が 終わりから10分目くらいに屠殺されてお肉になってる場面来た時とか、
本当何を基準に映像編集してるんだかさっぱり分からなかった。
撮影したフィルムそのまま上映してるのか? って感じ。
というわけであれ。
編集の大事さ加減がよく分かる映画でした。他山の石としなくちゃだ。