Mission.42 【壊れた歯車】 感想

・今週の基本登場人物は、黒澤遥人と梶井五次郎さんだけ!

多分これまでの 『COPPELION』 で、最も登場人物が少なかっただろう回。

そんな今週の 『COPPELION』 の感想。


先に今週の内容。

黒澤遥人が駆け付けて、とうとう明かされる梶井五次郎さんの過去。

元電力会社社員であった梶井五次郎さんは、

やはり台場原発メルトダウンを起こした新都電力の社員であったのだ!


「あの事故は人災だったんだ!!」

経費節減のために削られる安全対策費。原子炉の管理業務さえ外部委託される始末。

そして架線へ通電しない理由は、変圧器が壊れていたためだった。

変圧器が動かなければ、高電圧を下げられずに電車はショートしてしまう! 八方塞だ。

しかし梶井五次郎さんの言葉から、

「壊れた物は‥‥ 修理すればいい!」 と、

黒澤遥人が移動変圧器車の利用を思い付き、とうとう架線へ通電だ!

これにて成功、武蔵野電鉄作戦! あとは電車に乗り込み新宿へ向かうだけ!

"死の風" 到来のタイムリミットまで、残り時間はあと15分!


以上、そんな感じで次回へ続く。

なんか淡々と予定調和的に話が進むし、一読した時点では、

「これって別に、変電所は生きてましたー、って展開で良かったんじゃない?」 と思ったけれど、

よく考えれば、それは大間違いだったよ!


何故ってそりゃ、変電所に異常があったからこそ、

「元新都電力社員がコッペリオンメルトダウンの真相を直に語る」 という、

ドラマティックな展開を迎えるに至る事ができた
わけだよ!

それに今週のMission.42 【壊れた歯車】 は、単行本7巻辺りでの収録になるわけで、

「実はお台場メルトダウンは、真の黒幕による陰謀だった!」 という展開を迎えるにせよ、

「いや別に、事故の原因は五次郎さんの言う通り人災ですよ」 という事実のままにせよ、

事故の原因について触れておくにはいいタイミングだと思う。


また、梶井五次郎さんが変電所の復旧に手間取る流れになったからこそ、

最近ずっとイチャコラしてた成瀬荊と黒澤遥人が 引き離されざるを得ない状況になったわけで、

今後に死別するにしろ、感動の再会を果たすにしろ、更なるドラマが約束されたってわけだ!


そして何より、今回の状況を迎えるために、

一体いくつの条件をクリアしなければならなかったか! って事だよ。

つまり、こういうこと。

「新都電力社員がコッペリオンに事故の原因を明かす展開を迎えたい!」

⇒ 「そんな過去を普通は明かさないだろう」

⇒ 「それじゃあ原発の知識が役立つ展開、変電所を復旧させる展開をやろう」

⇒ 「どうして変電所を復旧させる必要がある?」

⇒ 「それは電車を動かす必要があるから」

⇒ 「何故電車を動かすのか?」

⇒ 「地上は廃棄物で封鎖されているから」

⇒ 「誰がそんな大仰なことを出来るのか?」

⇒ 「成瀬荊たちと同じ、コッペリオン

⇒ 「コッペリオンがどうしてそんな真似をする?」

⇒ 「それはコッペリオンが突然死すると知ったから」

⇒ 「それだけでは弱くないか?」

⇒ 「実は連続殺人犯のクローンで微妙におかしいから。あと幼少時に虐待されていたから」


思わず小津姉妹の話に流れてしまった。

ともかく、今週迎えたドラマティックな展開は、

幾重にも伏線を、展開を積み重ねてきた事の結果のはずだよ! って事だ!

小津姉妹の登場や、その性格なんかも、『COPPELION』 第2部開始時点で予定されていたものだと思うんだよ。

行き当たりばったりじゃあ、今週の内容には到達できなかったはず。


よって今週の 『COPPELION』 は、

井上智徳先生の練りに練った展開が一気に収束して花開いた 超重要な回! ……だと感じた次第です。