・ この日記の要約:
多くの格闘ゲームでは、同時に複数の攻撃を当てることで、
「ダウンさせる技を当てつつダウンさせない」 「空中コンボの削減値を1度無視できる」
などの現象を発生させられる。
この現象を利用すると、コンボを伸ばせる場合がある。
● 同時当てってなによ?
同時当てとは、2つ以上の攻撃をまったく同じタイミングで当てるテクニック。
特定の1フレーム (対象の格闘ゲームが秒間60フレームで動いているなら 1/60秒のタイミング) に、
複数の攻撃を当てなければ同時当ては成立しない。
● 同時当てになんの意味があるの?
同時当てを成立させることで、
攻撃をヒットさせて得られる効果のうち、いくつかを無視することができる。
格闘ゲームでは、攻撃のヒットで生じる効果がたくさんある。
それは例えば、ダメージ、ヒット数、技の得点、やられ状態、ヒットバック、ヒットストップ、空中コンボの削減値などだ。
実はこれらの要素のいくつかは、同時に複数の攻撃がヒットした場合に、
ヒットした攻撃の全部について数えられる要素と、ヒットした攻撃のどれか1つしか数えない要素に分かれる。
例として、
全部が数えられる要素はダメージやヒット数などで、1つしか数えない要素はやられ状態やヒットバックなどだ。
実例として、やられ状態を例に挙げて説明する。
格闘ゲームには、「のけぞる」 「ダウンする」 「燃える」 「凍る」 「感電する」 など、
数多くのやられ状態がある。
ただしどんなにやられ状態が多くても、1フレームの間に起きるやられ状態は1つだけ。
しかも、やられ状態の効果は合算されない。
たとえば、"凍る攻撃" と "燃える攻撃" をまったく同じタイミングで喰らっても、
「凍って解けて、普通のやられになりましたー」 とはならない。
凍るか燃えるか、どちらか一方のやられ状態にしかならない。
凍る攻撃と燃える攻撃を同時に当てて、ダメージとヒット数は両方の攻撃が合算されようとも、
やられ状態は加算されず、片方しか認識されないのだ。
複数の攻撃が当たっているのに、やられ状態から見れば 「1つしか攻撃が当たっていませんよ?」 という事になる。
● 同時当てのメリットってなんなの?
同時当てのメリットとは、
複数の攻撃を当てつつも、ゲームシステムには 「1つしか攻撃が当たっていない」 と認識させることで、
技性能が変化したような効果を得られることだ。
具体例を挙げよう。
スト2のリュウのしゃがみ強キックは、喰らった相手をダウンさせる。
ダウンした相手へ追撃できないシステムのスト2では、ここからコンボを繋げられない。
一方、スト2のリュウの波動拳は、地上で喰らった相手を地上のけぞりにする。(気絶した場合等を除く)
波動拳を撃った後のリュウの硬直時間はひとまずおいておくとして、
地上のけぞりの相手になら追撃ができる。
そこで、リュウのしゃがみ強キックと波動拳を1フレームのずれもなく同時に当てるとどうなるだろう?
答えは、
「ダメージとヒット数はしゃがみ強キックと波動拳の両方がカウントされたのに、
やられ状態は波動拳のやられ状態しか認識されず、相手は地上のけぞりになる」
だ。
このしゃがみ強キックをキャンセルして波動拳を出せば、相手は地上のけぞり状態なので連続ヒットする。
本来なら繋がらない攻撃の組み合わせが、同時当てのテクニックを使ったことでコンボになったのだ。
これこそが同時当てのメリットを活かしたコンボだ。
● どちらのやられ状態が優先されるの?
前の項を読んで 「しゃがみ強キックのやられが優先されて、ダウンすることはないの?」 と思われた方は鋭い。
実はゲームによって、どの攻撃が優先されるのか、優先順位が決まっている。
スト2では波動拳のやられが優先されるので、相手は地上のけぞりになるのだ。
なお、優先順位は各ゲームごとに異なるため、プレイヤーが調べてまとめあげることは不可能に近い。
ただしゲームメーカーの垣根を越えて、
「打撃技より飛び道具のやられが優先される」 「飛び道具と投げ技では、投げ技のやられが優先される」 など、
ある程度の法則性は存在している。
● その他
同時当てに関わる要素は、それぞれのゲームによってシステム上の扱いが異なる。
よって多くの例外もあると思われるが、
基本的にやられ状態と同じように、ヒットバックや空中コンボの削減値を1つしか認識させないことができる。
またゲームによっては、
ロック型の乱舞技のロックを外す、「乱舞抜け」 と呼ばれるテクニックへ繋げることも出来るぞ。