週刊少年マガジン43号掲載 『八乙女×2』 新作読切の感想

・いきなり 『八乙女×2』 の新しい話が週刊少年マガジン2023年34号に出張掲載された。



予告が無かったわけではなく、前号のマガジンの次号予告には "[特別出張掲載]八乙女×2" と書かれていたが。

こないだマガジンに再録で出張掲載があったばかりなので、まさか新作読切で来るとは……!

どうせまた再録でしょ、と完全に甘く見ていた。してやられた。

そういう読者心理を見越してか、ご丁寧に "再録ではなく【新作】です!!" とのアオリ文句も書かれている。

他の箇所のアオリでも、【完全新作】 と新作であることを再度アピールしているし。


それはともかく、新作読切の感想

ショート漫画パートは無くて、全ページとも4コマ漫画形式だ。5コマ漫画や7コマ漫画もあるけれど。

開幕は、"八乙女!!" の呼び掛けに振り向く八乙女カイと八乙女ハルルのコマからスタートだ。

これまで繰り返し出ている構図ですねー、氏家ト全先生的に 『八乙女×2』 と言えば! みたいな構図としたいのかも。

1ページ目からオチは直球のド下ネタであり、デビュー作 『妹は思春期』 から一貫する作風を見せつけてくれている。

生徒会役員共』 は読んでたけど 『八乙女×2』 は知らないというマガジン読者を引き付けることに成功しそう。

細かい点だけど、2コマ目のモブ女子生徒がリアルな中学生って感じであり良いですね。


2本目 【純朴と天然】 は、8コマ漫画。

いかにも以前から登場してそうな女性教師が八乙女カイたちに話しかける始まりですが、初登場のモブ先生である。

教師ポジションの登場人物には門脇先生がいるってのに、読切での出番はモブ先生に奪われておる。

門脇先生なら既に八乙女カイと八乙女ハルルが双子ではないと知っていそうだからか……?

読切であっても手を抜いていない、そういった整合性はきちんとしているようだ。

そしてこのモブ先生、たった1コマだけ登場するモブなのに左手薬指には結婚指輪をはめて個性もアピールだ。

単に1コマだけモブの教師を描くだけなら、わざわざ結婚指輪を描かないでしょ。

氏家ト全先生、きっと職員室にどういう先生がいるかとかまで設定資料を用意されてから描かれているのだろう。


モブ先生だけで盛り上がりすぎた。

3コマ目、八乙女ハルルが自然に八乙女カイにボディタッチしてるじゃねーの。これがまだ幼い中学生の距離感か?

八乙女ハルルが八乙女カイに対して恋愛感情を抱いているのかどうかは、まだハッキリとは描かれていない。

恋愛要素を主軸に楽しみたい読者の人には、そこがどう発展するのか楽しめる要素でありそうであるのかもしれぬ。

対して八乙女カイにハッキリと恋愛感情を持っているのが、4コマ目から登場する泉ルイだ。

別マガ掲載の最新話では、その辺りの火花バチバチがあったりもするぞ。

まだ中学1年生と幼い八乙女カイたちのため、男女の仲について思い至るかどうかは個々人で違いがある様子。


3本目 【彼女は読書家】 は、本木アユムを紹介する4コマ漫画だ。

中学生編では部活の先輩も登場人物にいるのだけれど、今回の読切掲載では登場無し。

まあ初見読者に登場人物いきなり大勢見せるのも不親切だろうしね。

オチは便利と便意を聞き間違えるそっちの方の下ネタだ。

両手が空くので便利そう、みたいな発想の下ネタにならないのは中学1年生の下ネタだからかも。

生徒会役員共』 との違いを感じる。


4本目 【ポチっと】 は、流れるような会話でのギャグで笑った。

八乙女ハルル、突然色々喋り出したと思ったら何だこの会話の流れは。


最終ページ5本目 【今日もうららか】 は、8コマ漫画。

単行本1巻の描きおろし漫画でも見せてくれた、八乙女ハルルによるメスガキの下ネタだ! お得感ある。

純粋にサービスカットのある8コマ漫画と言えよう。

"流行りのメスガキやってみたけどどう?" と直後に八乙女カイに直接聞くのが良いですね。

それを八乙女カイに聞いてどうしようというのか! 興奮した的な感想が返ってきたらどう返すのか! スゲェ良い。

このやり取りって過去作 『濱中アイ』 にもあったけれども、そちらも良かったな……

今からでも 『生徒会役員共』 の復刻読切描いて出島さんか青葉トオリでこのパターンやってほしいくらいですね。


ちなみにこの最終ページで八乙女ハルルが着ている服は、新連載第1話でも着ていた服である。

更にはそのメスガキネタが描かれた、単行本1巻描きおろしの時にも着ていた服だ。

特別なシーンで着るときの服、という意味合いを持っているように感じられる。偶然か?


感想終了。

ちなみに次回の 『八乙女×2』 は、10月6日 (金) 発売号の別冊少年マガジンで読める予定だ。

通常の発売日より前倒しになるので気を付けよう。