「みんな消えてなくなれ。私と幹以外は、すべて醜いんだから!」

・今週は火曜から木曜まで少女革命ウテナのビデオを見ていた。安かったので。


放送当時は全然見ていなくて、覚えていたのは気違い的な音楽と「かしらかしらご存知かしら」くらい。

今回見てみたら、耽美ギャグや気違い音楽が素敵過ぎでした。

第3部の鳳暁生編になると耽美さ全開。冬芽や鳳暁生の胸がはだけまくり。

特に「世界の果てを見せてあげよう。君にもね。」以後のシーンは一見の価値あり。

「100キロ近い速度を出しているオープンカーで、運転席からボンネット上へ飛び乗り半裸で耽美で笑顔」って何これ。

またその直前に毎回挿入される、オープンカーで学園中庭や剣道場に乗り付けるシーンも大袈裟さも素敵。

第32話「踊る彼女たちの恋」では、部屋の中にいる人の下へとガラス窓を突き破って登場する。そこまでして耽美を通したいか。


キャラクターは西園寺莢一こと西園寺先輩が面白い。

前半のヤムチャっぷりに感動してたら、後半では耽美に活躍しててまた感動。

交換日記を燃やされたり、チュチュ(猿)と人格が入れ替わっていたのが嘘のよう。髪飾りを彫れるくらい器用だし。

『寓意・寓話・寓エスト』回の1人タイタニックポーズには惚れた。

まぁ3度目の決闘に敗れてカエルみたいに倒れているシーンはヤムチャだけど。

っていうか世界を革命する者を決める決闘時音楽の曲名が『寓意・寓話・寓エスト』だというのがキチガイ的で良いです。比較級じゃん。

それまでの『架空過去型《禁厭》まじない』や『天然同胞宮殿遠近法の書』の方が寓意的なのに、ラスボス前の決闘曲名は比較級三段活用。


あと、どれだけ制作スケジュールに余裕が無かったのだろうと気になった。理由は使い回される絵のおびただしさ。

約2分半の変身シーンとか、テーマが「思い出」のせいもあり回想シーンが頻繁に登場とかすごい。

回想シーンでよく登場人物の肌がシルエットになっているのも、作画時間の短縮を図った結果に思えてくる。

その分は毎回新曲の決闘音楽でカバーされているけれど。


なおタイトルは、第15話「その梢が指す風景」より薫梢のセリフ。幹とは実の兄の薫幹。

つーかこのアニメ、恋愛対象が一般的ではない事例が多いなぁ。相手は同性だとか実兄だとか。

全体としては音楽と歎美さが見所の快作でした。


・どうでもいいんだけど、

決闘中に敵が言った「少しは回り込んだりしろよ」のセリフに、

「回り込んだら余計に隙だらけだろ?」とか思ってしまって鬱。格ゲーじゃないんだから。