今月の 『八乙女×2』 第35話 感想

・今月の 『八乙女×2』 感想。

第35話 「(涙が)ポロリの季節」 の感想だ。

前半4コマパートが6ページ、後半ショート漫画パートが6ページ。普段通りのページ数の回。



前半4コマパートは、卒業式前日の準備エピソード。

中学校を卒業するのは主人公である八乙女ハルルたちの先輩方につき、描かれるのは卒業式前に準備で裏方に徹する八乙女ハルル達だ。

普通卒業式を描くとなったら、卒業する側がメインで描かれるのに。一風変わっていて面白い。学校行事を長年描いてこられた漫画家さんならではか。

体育館のステージ下に収納されたパイプ椅子を取り出す描写、懐かしすぎて笑った。今もこうなのかな。

学校を舞台にした漫画で体育倉庫に閉じ込められる展開は目にするけど、ステージ下からパイプ椅子を取り出す描写は、あまり目にしない。

フィクションで描かれる学校生活がリアルな学校生活のよくある出来事を決して多く描いているわけではないと、示せる好例だ。

氏家ト全先生の漫画でも、収納台車が描かれたのはもしかして初めてかも。

収納台車の製造メーカーの人が読めば、どこの製品がモデルとか分かるものなのかな。


収納台車はともかく、メインはパイプ椅子であり "パイプ" が "バイブ" になる氏家ト全先生の漫画で頻出の下ネタがオチ。

この下ネタで八乙女ハルルが赤面しちゃうのは意外。自分自身が言うのは平気でも、他の人の口から聞こえると恥ずかしいのかな。

ちなみに数話ぶりに富谷君と黒松君も僅かに姿を見せているけど、モブ生徒と同じ背景要員だ。


2本目 【ルイジャンプ】 は、8コマ漫画。

別冊少年マガジンの公式Twitter (現:X) アカウントで、3,4,7,8コマ目だけが紹介されていて笑った。斬新な切り抜きだ。

切り抜きで紹介されてたオチよりも、1,2コマ目で見える市立亀の頭中学校の校章に目が行く。亀の甲羅を元にしたマークなのだなあ。

ただ、学校名である亀の頭は確認できない。学校旗の陰に隠れた部分でにょきっと生えている可能性はあるかも。


【感じやすい人】 の 「スケベなシーン見てもらい濡れ」 、氏家ト全先生の過去作 『妹は思春期』 にもあったネタだ、懐かしい。

編集者のアオリ文句に書かれた 「もらい射精(だし)」 という発想が面白かったので記憶に残っている。


次の 【吐露】 、門脇先生の意外な一面というやつだ。笑った。

下ネタギャグ漫画なのだから発言者を変えて途轍もなくヤバい下ネタを言わせる展開にもできように、そうしないところも面白い。

妹は思春期』 だったら、小宮山先生が伏字の入る発言をしてるところだろう。

君の好きな登場人物ならどのような吐露を聞かせてしまうのか? そのように読者それぞれに妄想の入り口を開かせるネタとも言えよう。


【ヒミツですよ】 、佐久間サクヤ先生が大活躍じゃん、下ネタ的に。こういう佐久間サクヤ先生による下ネタ、とても好き。

「スニーキング型露出同人ゲーム」 て。具体的が過ぎる。プレイ経験があるかそういう嗜好があって記憶してたかの二択でしょ。


続く 【送る言葉】 は、卒業式の日に書かれてる黒板アートや黒板メッセージの話。

描かれてあるシーンは漫画でよく見るけど、描く側の視点を読むのは初めてかも。

そしてオチは卒業式と関係なく、八乙女ハルルの花粉症ネタ。

八乙女ハルルがボケてるのに、一切デフォルメの無い真顔でこの発言なのが本気度を伺えて笑う。いや花粉症の身としては笑い事ではないが(真顔

ていうか、来年の八乙女ハルルたちの卒業式にも花粉症ネタがありそうだ。


4コマパートのラスト 【フライング感動】 は、いよいよ卒業式の当日の8コマ漫画。卒業する側にバトンタッチだ。

初見時は気にも留めなかったけど、3,4コマ目で挨拶を交わす武隈アキナ、芦田ホシノのコマ割りが秀逸だな。

3コマ目に描かれているのは武隈アキナだけど喋っているのは4コマ目の芦田ホシノで、4コマ目では芦田ホシノが描かれて武隈アキナがしゃべってる。

でも決して不自然な構成ではなくて、その証拠に初見時はごく自然に読めて気にもしなかった。漫画の技法の進歩を感じるぜ。

オチを見るに武隈アキナは、物凄く感受性が豊かそうだ。もちろんこれは先述の 【感じやすい人】 の4コマを踏まえての感想ですが。


後半ショート漫画パートは、文芸部の送別会エピソードだ。

部室で開催と思いきや、何と舞台はカラオケボックス氏家ト全先生の漫画でたまに出てくる場所ながら、これは予想できなかった。

なお、文芸部の新部長は本木アユムになったとか。


場所はカラオケボックスだし生徒主催だし、参加者に顧問の門脇先生はいないし部員ではない泉ルイもいない。

「今日はおごりです(クーポンあるから)」 のセリフに、お金は大丈夫なのかなと余計な概念を発生させてしまった。

漫画では描かれないけど、八乙女ハルルとかお小遣い制なのだろうか。お金は普段何に使っているのだろう。

卒業生で主役の姉:武隈アキナよりも先に料理を注文する妹:武隈フユリ。わんぱくっ子ぽい。


武隈アキナたちが志望校に合格したとの話題は出れども学校名は出ず。2人の通う高校が桜才学園という可能性、もしかしたらあるかも?

カラオケでそれぞれが歌う描写、氏家ト全が最も多く描いてきた4コマ漫画では描写しづらいところだから新鮮味がある。

ちなみに最後のページで描かれるけど、カラオケボックスの店名は 「KARAOKE69」 だった。

氏家先生の漫画では店名など下ネタ交じりとなる小ネタは頻出だけど、"69" が入るパターンはかなり多い。

『八乙女×2』 など氏家先生の作品世界には 「セブン&アイグループ」 のように 「69グループ」 が存在するのかもしれない。


そして今月の最大の見所のひとつだろう、この11ページ目のメタなネタ!

読者に直接演出を訴えかける、氏家ト全先生の漫画にしては珍しいメタなナレーションのギャグだ。変化球じゃん。

このギャグというよりギャグがあること自体に笑った。前半4コマ漫画パートの花粉症ネタが伏線だったのも驚きだ。

普通の部室でやるには不自然となっちゃう挨拶のため、カラオケボックスが用意されたという説明のくだりも納得。


今月の感想終了。

次回予告は "次回、ついに中3!! 文芸部は!?" とのことだ。

言うて文芸部に入部希望者は来るでしょと思っていたが、文芸部が部ではなくなる可能性も示唆するような予告だ。単に存続を伏せただけかもしれないが。


余談。

今月の別マガの目次ページを見てほしい。今月2025年4月号の氏家ト全先生の作者コメント、何だかいつもと違うよね???

普段なら 「耳掃除しました。」 というコメントをされるはず。普段よりも主張が強い。

稀有なるパターンのコメントだ。何かあったのか? 来月以降もこういうパターンのコメントとなるのか? 注目ポイントがひとつ増えた。