今月の 『八乙女×2』 第32話 感想

『八乙女×2』 最新単行本第3巻、2025年2月7日 (金) 発売決定!

嬉しいお知らせだけど、戦々恐々ともしちゃったね。何故なら今回、最終回が近いかと思わせる展開があったので。


生徒会役員共』 を通して、氏家ト全先生は突然連載を終わらせることがある、という事実を読者は知るに至った。

だから 『八乙女×2』 でも、単行本の収録ページ数が溜まりそうなタイミングでは、どうにも不安が高まってしまう……

次号や次々号に 「次号、最終回」 のアオリが無ければ、また1年くらい 『八乙女×2』 の連載は安泰のはずだ。


・そんなわけで、今月の 『八乙女×2』 感想。

第32話 「今年ももう終わりかと言う季節」 の感想だ。

前半4コマパートは4ページで、後半ショート漫画パートが10ページという異色の構成。

ページ数からも、今回はショート漫画の話を丁寧に力を入れて描こうとした意志を汲み取れる。



前半4コマパートは、八乙女両家の大掃除エピソード。

開幕、大掃除中ながらにいきなり八乙女カイ家にお邪魔する八乙女ハルル。もはや出入り自由かよ。

八乙女ハルルも八乙女カイ家の大掃除を手伝った方が良いのでは、と思えてきた。


【生活雑学】、八乙女カイが自室のエアコンを自分で掃除するの、自立心みたいなものを感じる。

床とか机とかだけでなく、エアコンは親にやってもらいそうな家電と思えたし。

台詞からして、八乙女ハルルは自室のエアコンまでは掃除しないようだ。

八乙女カイに影響を受けてエアコンを掃除するようになっても良いと思う。


ライフスペース】 の8コマ漫画は、今回のギャグで最も秀逸で笑った。

八乙女ハルルが描かれている範囲で最も長く滞在してる八乙女家、それは自宅じゃなくて八乙女カイ家だしな。

八乙女ナルミ (カイ母) は家の合鍵さえ八乙女ハルルに渡しているという考察、あると思います。

あと、何気に 「ちょっと隣行ってくる」 の台詞にも着目した。

八乙女ハルルが八乙女カイ家に行くことを八乙女ハルコ (ハルル母) に連絡する、レアなシーンなので。


【おえっ】 では、八乙女ナルミが八乙女カイにSっ気ある顔を見るか確認する。

氏家ト全先生の漫画でたまにある、下ネタ的な言動の感想を求めたり求めるべく見せようとするネタ、好き。

4コマパートラスト 【おじゃまします】 では、テレビゲームで遊ぶ場面の描写が来た!

しかしゲーム自体はオチと関係なく、ゲーム画面も描かれたら情報量が増えてネタの邪魔になるからなのか、真っ白だ。

氏家ト全先生の描くビデオゲーム描写を楽しみとしている勢としては、うーむ惜しい。

なお、八乙女ハルルが大掃除の時とは服を着替えている。八乙女カイは同じ服のままだ。性格の違いか?


後半ショート漫画パートは、本木家での文芸部の忘年会エピソード。

忘年会と言っても生徒の集まり。文芸部顧問は参加していないが、泉ルイに本木ランも参加しているぞ。

女子7人に男子1人、料理がスーパーで売ってそうなピザと揚げ物盛り合わせだけで足りるのかな、など思ってしまった。

ていうか開宴の挨拶を芦田ホシノがやってて笑う。

部長の武隈アキナの役どころは、特に何も無しだ。それどころか格好つけたのに粗相する役回りだぞ。


そして始まる今回メインの王様ゲーム

使用される割り箸に 「(洗浄済み)」 とあるのが氏家ト全先生の個性であろう。こういうところが良いですよね……!

王様:本木ランの時点で身構える一同、既にその下ネタっぷりは周知なのか。

顔面騎乗を取り下げてからの膝枕 (耳掃除) 、膝枕はアリなの? ひと悶着あってもページ数の都合で描かれなかったのかも。


王様ゲームでクジに割り箸を使うからこそ生じるギミック、そこに泉ルイの下心が掛け合わさるこのネタ良き……!

八乙女カイと絡まずに終わるのではなくて、八乙女カイを責めてしまう形ながら絡みが保証されてるのもフォローが丁寧でしょ。

八乙女カイの字が汚いという話は第28話にも出てた話。

単行本で通して読むと、伏線になっていたのか~って感心できそう。


泉ルイが下心を見せた次は、八乙女ハルルの下心のターン。

その胸の内についての感想は後の部分で書くとして、八乙女カイが八乙女ハルルを下の名前で呼ぶ瞬間が来た!

八乙女ハルルのこの満足げな表情を見よ!

思い返せば、遅くとも第3話の時点では八乙女カイから下の名前で呼ばれたかった八乙女ハルル。

2年5ヶ月間くらい秘めていた思いが成就した瞬間だ。「勝った」 と高らかに拳を掲げるほどだぜ。


八乙女ハルルの秘めた思い、肝心の八乙女カイ相手には微塵も伝わっていなかったけど、他の人にはどうだったの?

そういったところを垣間見れるのが、後半パートもラストのお泊りシーンですよ。

本木家での忘年会からのお泊り会! 泉ルイは八乙女カイが八乙女ハルルを下の名前呼びする場面から表情を崩さないままだ。

泉ルイが八乙女カイを好きなのは読者には明かされているし、八乙女ハルルが八乙女カイに向ける感情の存在も読者には明らかだが。

じゃあ登場人物間で、八乙女カイに向けられたその好意の矢印は誰がどれくらい気付いているのか!

『八乙女×2』 では、そこが意図的になのか伏せられて、というか語られず進行してきたわけですよね。

その明かされなかった情報の一端が、このお泊り会で描写された! 泉ルイが、八乙女ハルルの向ける好意について!

泉ルイなら最低でもうすうすはその感情に気付いてたと思うのだけど、今回の名前呼びを目にしてどう思ったのだろうなああ??

八乙女カイに対する下心は泉ルイも八乙女ハルルも同じとはいえ、結果も過程も違ったし。

割り箸のギミックだけを見ていたうえ八乙女カイの字とも気が付かなかった自分自身に対し、八乙女カイを見ていた八乙女ハルル。

「よく見てんねぇ」 の台詞が重いぜ。「勝った」 の台詞を宣言したかったのは泉ルイも同じだったろうに。

それと、八乙女ハルルは泉ルイの向ける好意についてどれくらい気付いているのだろう?

もしも八乙女ハルルが、泉ルイは八乙女カイを好きなのだと全部知っていてこの態度なら、意外なほどに大物すぎる。

大物すぎるからそれは無いか? 八乙女ハルルは全然気付いていないまま、と解釈するのが自然だろうか。


八乙女ハルル → 八乙女カイ ← 泉ルイ の三人模様に変化を及ぼしそうな一夜は、余韻を残して終了だ。

そして最終ページ、当の八乙女カイはどれくらい気付いているの??? の答えがこのオチですよ。

そりゃ八乙女ハルルもこの表情になるわいな。


全然関係ないけど、中学生6人の急なお泊りに対応できる本木家が半端ない。

寝床を提供してるだけでなく、布団や寝間着の浴衣まで人数分ご提供だ! お屋敷がすぎる。

生徒会役員共』 で言うなら七条家ポジション、それが 『八乙女×2』 では本木家だったか。

やはり漫画作品を描くなら、お金持ちポジションの登場人物を1人は登場させると話をスムーズに動かせるのだろうなあ。

あと泊まった八乙女ハルルたちが、着ていた服を畳んで枕元に置いてる描写、育ちの良さを感じられて良いですね。

そこに折り畳まれた衣服が無くても読者は誰も何も気にしないだろうに。氏家ト全先生の配慮に唸る。


今月の感想終了。

次回予告は "次回、初詣&雪雪雪!!" とのことだ。

4コマ漫画パートが初詣で、ショート漫画パートが雪遊びだろうか? 大雪で学校が休校になるエピソードかもしれない。