今月の 『八乙女×2』 第3話 感想

・もはや安定感が出てきてる、新連載第3回目の 『八乙女×2』 感想。

第3話 「7月はプールの季節」 の感想だ。

1話目は5月、3話目は7月、4話目は夏休みの話らしいので、漫画の内容は発売月とリアルタイムに連動するみたい。



『八乙女×2』 は毎月12ページ連載かと思いきや、第3話は14ページでの掲載だ! 基本は何ページ連載なのだろう……

氏家ト全先生の筆の乗り具合などによって、ページ数は融通が利くのかも。

4コマ漫画やショート漫画形式が同居するし、週刊誌ではやれなかった工夫とかもできそうで良いですね。

そんな第3話は、お年頃な感情・自宅で勉強会・学校でプール、の3本立てだ。


1エピソード目は、クラスメイトである泉ルイのお年頃な感情ネタ。

八乙女カイの男友達2人連れが紹介されるかと思いきや、代わりに掘り下げされるのはクラスメイトの泉ルイだった。


開幕 "八乙女!!" の呼びかけに振り向く八乙女カイと八乙女ハルルながら、呼ばれたのは八乙女カイだけだった。

ついに苗字が同じであることを活かしたネタが来たぞ!

「苗字が同じで困るなら名前で呼べば良いじゃない」 という思い付きを即座に実行する八乙女ハルルによって、話が転がりだす。


次の 【ハルル思いつく】 では、泉ルイが絡んできたぞ。

八乙女カイと八乙女ハルルの2人同士で下の名前で呼び合う意味の無さに速攻ツッコミが入るのは笑った。

それより自然にボディタッチしてる八乙女ハルルの距離感よ! 八乙女カイとの親しさの表れなのか、八乙女ハルルの個人の感性か?

いずれにしても、泉ルイにとってはボディタッチも看過できない要素でありそう。


【ただらぬ仲】 、「班長の泉ルイさん」 とご紹介がここで来た。

下の名前で呼び合うのは、"アレみたいじゃん" という理由でしかダメだと言えない泉ルイ。

もう次のページのネタを読めば明らかなのだけど、泉ルイは八乙女カイを好きみたいっすね。

氏家ト全先生の他の漫画でも見られる恋愛要素、『八乙女×2』 でも楽しめるようだ。


"アレみたいじゃん" に対して "親友?" との天然ボケを返しちゃう八乙女ハルルですが。

次の 【絆レベルアップ】 では、結果的にファインプレーをした感じ。

泉ルイにも八乙女カイのことを下の名前で呼ぶよう水を向ける! 泉ルイが八乙女カイと親しくなるチャンスじゃん。

勢い余って告白までしちゃったら面白いのに (無理筋) など思ったりもしましたが、下の名前で呼ぶとこまでも踏み出せず終了。

サブタイトルの 【絆レベルアップ】 が示す絆とは、八乙女ハルルと泉ルイとの絆であった! 焦らしよるねえ、まあまだ3話目だしな。


そして最後のコマで突如出現する本木アユム!

今までの話に絡んでないのに "じゃあ私も名前で……" と、名前呼びをしたいのかされたいのかも曖昧な言葉で割って入ってくるじゃんよ。

控えめなようでいて、自分の欲求をついでに通そうとする太々しさじゃん? それもまた魅力かも! 欲の強い子は良いね。

そういや第2話でも、掃除で八乙女カイの拭き残しを自ら掃除する我の強さも見せてたっけ。

下の名前で呼び合うことが場の話題に上がる前から、本木アユムは八乙女ハルルたちと名前で呼び合いたかったのかもしれない。


1エピソード目ラスト 【不器用ムスメ】 では、八乙女カイと泉ルイが体育倉庫で2人きり!

漫画では閉じ込められるなどのドラマが起きるシチュエーションじゃん……と期待も膨らむけれど、特に何も無し。

泉ルイが体育委員の仕事っぷりを褒められて嬉しくなる程度だし、八乙女カイと八乙女ハルルがLINE交換してる仲と知って落ち込むし。

ここで本木アユムだったら 「私もLINE交換したい」 とか言い出せそう (偏見) 。

泉ルイと八乙女カイの仲は深まるのかどうなのか? それは今後の楽しみであるようだ。

ちなみに作中ゲーム "モンデス" の話題は、今回3話目ではLINEメッセージでタイトルが出た程度だ。


2エピソード目は、八乙女ハルルが八乙女カイに勉強を教えるネタ。「女子小学生家庭教師八乙女ハルル」 である。

学校でのテスト返却シーンから話が始まるわけですが、本木アユムがコマの端にいる割に目立ちますね。

大人しそうな雰囲気なのに、存在感アピールはしっかりやってきておる……! 八乙女カイの男友達はモブ生徒に紛れているのによ。

運動音痴極まりない八乙女ハルルだったけど、実はテストで100点満点を取ってたことが明らかになり、2エピソード目がスタートだ。


【いつもよりごうか】 では、舞台を八乙女ハルルの自宅に移して勉強会がスタートだ。

八乙女カイを自宅に招いて勉強を教える八乙女ハルル、クラスメイトでマンション隣人関係を活かした話っぽいですね。


八乙女ハルルは面倒見が良いのかと思ってしまう八乙女カイと我々読者ですが、まあそのようなことは無かった。

勉強を見ることの目的は、自宅に来客を招くことで親からいつもより豪華なお菓子をおやつに出してもらうことであった。

八乙女ハルルの親を見る目が抜け目ないっすねー。要領の良さとかを感じられるエピソードでもあるぞ。

そして面倒見が良いわけではないから、八乙女カイが勉強でつまづいたとき思いっきり顔に出る!

次の 【顔に出る】 では、八乙女カイの不正解に対して1コマ目全部使って不機嫌アピールの変顔だ。シンプルに好き。

第2話でも好きな味のケーキを取られそうになって、思いっきり顔に出てたっけ。この変顔は 『八乙女×2』の魅力の1つに数えられそう。


【見ててね】 では、八乙女ハルルの母親が再登場。

八乙女ハルルの口から語られるに、八乙女ハルルの母親は下ネタサイドの立ち位置っぽいが……? 今月はその謎は解明されなかった。

むしろ八乙女ハルルは料理をつまみ食いしがちだと八乙女カイに暴露された。隣人だしクラスメイトだし娘の秘密を暴露していくスタイルだ。


2エピソード目ラスト 【ちゃんちゃん】 、きちんと八乙女カイのテストの点数が上がるエンド。

それに加えて八乙女ハルルが "やったじゃん" と声をかけるとこが良いですね。返答が "ああ" だけなのも、言葉は要らないって感じがある。

オチは八乙女ハルルがテスト用紙に名前を書き忘れたエンドですが……もしかして、1エピソード目と 「名前」 という共通点を持たせたのかなあ。


3エピソード目は、学校の体育の授業でプールのネタ。

細かいことだけど、学校のプールが妙にでかくないですか? 50メートルプールなのかなあ? "すごーいあっさり50m" ってセリフもあるし。

そして女子のスクール水着は上下別のセパレートタイプだ! 時代って感じだー! でも八乙女カイたち男子の水着はパンツ一丁でお胸が丸出し。

男女で同じ型の露出が少ないジェンダーレスな水着だったりしないところも、今の時代ということか。

下ネタ的に考えれば、男水着チャレンジをやれる余地を残したという事かもしれない。


ちなみにこのプールの授業では、八乙女ハルルのツインテールの結び目が普段よりちょっと高い。

作画のミスとかではなくて、水泳の授業のために髪の毛を結びなおしてるって描写ですよ! 芸が細かい。

氏家ト全先生の漫画におけるロングヘアの女性登場人物は、入浴時やプールに入るときなど髪を結わえるのよね。それと同じこだわりだろう。

そのうち何かのタイミングで、髪を下ろした八乙女ハルルの姿も見れたりするかも。


1エピソード目でお互い下の名前で呼び合うようしたことが、この3エピソード目にて早速活かされた。

"ルイって体重何キロ?" と、八乙女ハルルが下の名前で呼びかけるぜ。

そして泉ルイも八乙女ハルルに対し、下の名前で "ハル(愛称)泳げないの?" と……っていや愛称で呼びかけてる!

「ハルル」 って名前は初見時は 「ハル」 じゃあないのだなーと思ったが、早々に第3話目で 「ハル」 ‌呼びが出るとは。

そんな 【ハンチョウはホメ上手】 、泉ルイが八乙女ハルルに泳ぎを教えるぞ。

八乙女ハルルの運動神経と言えば、体育のマラソンで圧倒的最下位を叩き出したのが記憶に新しいですが、予想を裏切らないカナヅチっぷりを見せる。

"私はホメてのびるタイプなので" の声にこたえるべく、それでも褒めようとする泉ルイの人の良さよ! 健気っ子だ。


『八乙女×2』 登場人物の中で、従来のスクール水着のような格好をする女性がただ一人! それは担任教師の伏見先生であった。

伏見先生と言えば眼鏡女子であることが外見の特徴であり一部読者の需要にこたえそうなポイントですが、プールの授業ではさすがに裸眼。

裸眼ではなくコンタクトレンズ着用なのかもしれない。

この 【荒ぶる先生】 では、学生時代にプールの監視員のアルバイトをしていた過去を語ったり、年齢について示唆されるような話題が出たりする。

それよりまあ、このバイトの話を語るコマのオチに向けた説明台詞の感じ、氏家ト全先生の個性出てる感じの説明台詞だなあ、って感じたりした。


この 【荒ぶる先生】 や次の 【影響なし】 からは、氏家ト全先生らしい下ネタオチのオンパレードか。

塩素拾いみたいないかにも小学生と言ったネタは無い、ド安定と言った感じある氏家ト全先生らしい下ネタが続く。

八乙女ハルルがプールの中なら漏らしてもいいんじゃないと言い放つネタ、1話目2話目から引き続いてのトイレネタか。

やはり八乙女ハルルのトイレネタは、天丼ネタというか八乙女ハルルといえばという下ネタにしていくつもりなのかも。


あとプールの水面から顔の上半分だけ出して潜水してる八乙女ハルルが純粋に絵面として可愛いですね。

なら本木アユムを純粋に可愛いと楽しむのが 【プールあるある】 の8コマ漫画なのかも。

八乙女ハルルの言う事を素直に聞いて、耳に吐息を吹きかけられてぞくぞくしてる様子を見せちゃう。

プールで耳に水が入ったという展開からこのプレイに繋げることができるのか、スゲェな。


そして最終ページは1ページ漫画! 実は何故かこの3エピソード目だけ2ページ多いのですよね。

舞台は学校のプールのままですが、話題は来月の夏休みにいっぱい遊ぼうというお話だー、こりゃ次回予告も兼ねてそうですね。

欄外の次号予告によると "泳げないハルルが、みんなと海水浴へ!!" という展開もある模様。

「みんな」とは誰なのか? 女子の友達だけで行くのか、八乙女カイも一緒なのか、保護者同伴なのか?

全然関係ないけど、デカいイオンのフードコートやゲームコーナーに一日たむろする八乙女ハルルの夏休みとか夢想した。


今月の感想終了。

そういや 『八乙女×2』 の担当編集者さんは、氏家ト全先生の前作 『生徒会役員共』 から継続なのだろうな。

心底どうでも良いことだけど、柱にある編集者さんが入れてるだろう漫画概要説明が、ページごとに使ってるフォントがバラバラだ。

フォントをとにかく多く使おうという編集者さんの謎の遊び心が、『生徒会役員共』 から継続となっている。

要るのかその遊び心……?