餓狼伝ブレイクブロウ

・はいはい。17日発売餓狼伝Breakblow話。

一言でまとめれば、実に素晴らしい餓狼伝ゲーでした。「餓狼伝の格ゲー」ではなく、「餓狼伝なゲーム」。

既存の格闘ゲーム上で餓狼伝を動かしているのではなく、世界観再現のためにシステムから一新。

なのでキャラゲーとして見た場合、充分に合格点です。

とにかく再現度が凄い。長田の全力ジャーマンや、文七の虎王は正に原作通り。

「全力ジャーマンを再現するためだけに、全ステージの天井を作った」という凝り様には感激。

グレート巽社長室にある泣き虫サクラが描いた絵まで再現されている(増刊号の描き下ろしでしか見られないのに!

そりゃ細かいことを言えば、井野で「後ろ回し蹴りネ」の投げからダウン投げに繋がらないとかはあるけど、

堤に絡んだチンピラや、クマ着ぐるみを着用した文七まで再現されるんですよ!


でも久我重明のコスチュームに白い胴着があるのはありえないー。

さんざん「黒かった」と強調されているのに、何故久我さんに白い胴着をッ!

あと用意されてるセリフが少ないのも残念だったなぁ。

対戦前・対戦後のセリフを選べないのもどうか。「お前には才が無い!」と泉先生に言い放つ藤巻十三は不味いだろ。


あと最大の欠点は、一人用には向かないこと。やり込み要素が皆無に等しいです。

ハイスコアは無い。コンボはつまらない。隠し要素は半日あれば全部出せる。

餓狼伝読者でないと一人用は厳しいかも……その分、対人戦は熱そうですけど。


選べるモードについては、ストーリーモードの「餓狼列伝」、対戦の「対決」、サバイバルの「百戦錬磨」、

レーニングの「鍛錬」、キャラクターの設定を見れる「梶原メモ」。オプションも当然あります。


  「餓狼列伝」にはストーリーが読めるのだけど、小説・マンガの内容を数行にまとめた簡易版が読めるだけ。

マンガが読めたりはしません。エンディングも無いです。スタッフロールはあるけど。

原作通りに話を進める必要は無く、勝利条件はどれも同じで相手に勝てば良いだけ。

また原作準拠だから当然とはいえ、ストーリーの長短に差が激しすぎるのもなんだかなぁ。

チャックなんて3戦で終了ですよ。


  「対決」はその通り対戦モード。

2P戦の他、対CPU戦、CPU対CPU戦も可能。これについては文句無し。素敵な出来です。


  「百戦錬磨」はサバイバルモード。

一応ランキングもあるのだけど、敵CPUが100人限定なのでそれより多くはランキングに残りません。

範馬勇次郎を出すための作業モードとしか思えないなぁ。これはかなりダメです。

100人抜きをするには、大体1時間40分かかるのも面倒くさい。

ちなみに100人目の敵として出てくる勇次郎には、一撃必殺の奥義があります。

それを喰らったら当然やり直し。やってられねえええ。


  「鍛錬」はちょっと不満。このモードでくらい、奥義の制限をなくして欲しかったよ。

一度使った奥義を未使用に戻すだけでも5の手順を必要とするのは、非常に面倒。

「Aキャラの奥義2をBキャラの奥義3で潰せるかどうか」を調べるだけでも、

「メニューを出す → 調整画面に入る → 精神ゲージを1P不利に調整する → 調整画面を出る →

神ゲージを2P不利に調整する → 調整画面を出る → メニューを出る」の下準備が必要。

もちろん1回試すたびに繰り返しね。ひたすらに面倒です。

他にもステージだけの変更は不可能とか(地面の固さで投げ技のダメージが変わるほど凝っているのに!)、

CPUの行動によろけ逃げが無い(確定コンボ探しには、自分で2Pを操作しなければなりません)とか、

ゲージは元に戻せても破壊可能なギミックの復活は出来ないとか、

割と不便な出来でした。


  「梶原メモ」は、妙にひねった見方をしていたりで原作を知っている人には面白い。

梶原というキャラ(マンガ版ではヤムチャみたいな扱いを受けているキャラ)の解説に、

「セコンドの才能が開花していた。」とかあってウケた。

他に笑ったのは、藤巻についてのメモ。



象山に敗北したことをきっかけに、藤巻は長田に「虎王」を伝授する特訓を施す。

藤巻のケアは細部にまで及ぶ。近くの神社の境内で組手を行い、

鍛錬後にはマッサージまで施す。まさにトレーナーの鑑のようである。


北辰館オープントーナメント前日、長田のトレーニング場を訪れる藤巻。

しかし、藤巻は梶原と談笑する長田の姿を目撃してしまう。

憤る藤巻は馴れ合いだと長田と梶原を批判する。


どう見てもツンデレです。本当にありがとうございました。


あと隠し要素が、「クリアのご褒美ではなく、元からの機能を封印してました」って感じで微妙。

説明書には19キャラの技表が載っているのに、最初に使えるキャラは6キャラとか意味が分からない。

衣装チェンジだって、どう考えても最初から使えたはずの機能だしなぁ。

勇次郎以外の隠しキャラが、チンピラ、ヤクザ、ゲームオリジナルの柔道家&キックボクサーなのも微妙。

おまけにチンピラとヤクザの奥義は、レベル1〜3までどれもほとんど同じだし。


最後にネタバレっつーか、隠しキャラ登場順序一覧。

スタッフロールを見るには、松尾か久我さんでクリアすればOKです。


文七 → 涼二 → 梶原 → 巽 → サクラ

藤巻 → 泉 → キックボクサー

姫川 → チャック → 神山 → 松尾

長田 → 井野 → 柔道家

堤 → チンピラ&ヤクザ

彦一 → 安原 → 片岡 → 久我


「つまらない」と書いたコンボだけど、そのうちコンボ動画をUPしたい。