TVアニメ版 『生徒会役員共』 第8話

・今回の放送分からは、『生徒会役員共』 単行本2巻の内容に突入だ。

つまり今週のTVアニメ版 『生徒会役員共』 の話。先週放送分よりも格段に良い。



この回からは、五十嵐カエデが登場だ。

声優ジャンルについては疎く興味の無い俺ですが、

五十嵐カエデの声は 自分が氏家先生の 『生徒会役員共』 を読むとき脳内で再生されてた声に一番イメージが近かった。



アニメオリジナルシーンも今週はよろし。

「原作そのままにアニメ化しては尺が足りない」 とはそりゃ分かるものの、アニメオリジナルが浮いては問題だよな。

でも上画像のオリジナルシーンは、ぽんぽん話が進んでテンポがよくて、間延びしていない出来だった!

"一瞬しかないシーンだから" とパンチラするでなく、パンでパンツを隠すのも良い工夫じゃね。

その他の、押さえ込みやメス犬のシーンも短いので悪くなかった。エンドカードのセリフも初めて面白かったし。



特に良かったのはこのシーンだな!

"柔道部の練習試合の勝敗がかかった大事な一戦を見守る津田タカトシたち" というシーン。

氏家先生が描かなかった、みんなが見守る柔道部の試合をアニメオリジナルで描くのではなく、

元の展開ほぼそのままに、試合を見守るデフォルメキャラの反応だけで試合展開を描写する。

"ああ、ちゃんと氏家先生の描くデフォルメキャラの良さを 分かってくれているんだな" と感じられたよ!



最後に、心底細かい話をするぞ。

気にする人がどれだけいるかは知らないが、そんなことは知らないね。

見よ! この点取り試合の組み合わせ表の画像を!

お前ら手持ちの 『生徒会役員共』 コミックス2巻、「#5」 とよく見比べるべき。

「原作には出ていない帝穴柔道部の大将の名前が、TVアニメ監督の "金澤洪充" さんから取られている」 だと?

それもあるけど、それは別に重要じゃあないだろう。

そんなこと言ったら、TVアニメ版第3話に出てきた 『舞妓さんのおしろいは白濁液』 の作者だって、

"仮名堕和ピロミツ" と、金澤洪充監督の名前をもじってあったしな。


重要なのは、桜才学園柔道部の次鋒の名前だろ!

なんとまあ、苗字が "海辺" から "渡辺" に変わっているじゃあねーの!

うおお、なんて細かい修正を仕込んできたんだ今回の制作スタッフは……!


話が見えてこない人のために説明するぞ。

まずな、この時点での桜才柔道部部員は5人しかいないわけだ。

そしてTVアニメ版では三葉ムツミ以外の部員2名の名前も明かされているけれど、

氏家先生の 『生徒会役員共』 「#5」 掲載時点では、それまで他の部員の名前は全く出てきていなかったわけ。

それがこの 「#5」 の点取り試合の組み合わせ表によって、

三葉ムツミ以外に試合に出た部員の名前が、"海辺" 、"中里" 、"菅田" 、

そして試合に出ていない部員の名前が "(苗字不明) ナナコ" と決まったんよ。

そこまでは良かった。


問題が起きたのは、『生徒会役員共』 コミックス3巻の描き下ろしだー。

この巻の描き下ろしでは、それまで名前が不明だったキャラに 初めて苗字や下の名前が付いた。

出島さんのフルネームが出島サヤカとなったのも、この巻の描きおろしによってなんだ。

それでな、それまで "(苗字不明) ナナコ" だったキャラの苗字がな、よりによって "海辺" だったのよ。

つまり、

「矛盾が起きないよう、前に出てきた部員の苗字一覧から苗字を持ってきたのはいいけれど、

試合に出ていないはずのナナコの苗字が、試合に出た部員の苗字になってしまった」 ってミスがあったわけ。


「柔道部に "海辺" さんが2人いるんじゃね?」 って話で説明がつかなくもないので、

俺は 「海辺は2人いた!」 って説で通そうとしてきたんだけど、

そこをTVアニメ版は、元のミスが最初から無かったように、

試合に出場した部員の名前をこっそり書き換えることで対処してきた
のよ。

これを上手いと評価しなくてどうするよ! こいつはしてやられたぜー。


あと、「製作スタッフにそこまで深い意図はないんじゃね?」 って話は無いはず。

矛盾をなくすだけなら変更する苗字はなんでもいいのに、

わざわざ "海" の字に似た "渡" に変えてきているんだぜ?

ほんの一瞬の場面なのに、ぱっと見ただけじゃあ 修正自体気付かないように工夫しているんだ!

ああ、うまいことやったなあ。


そんな訳で、今週は満足。次々回には ついに出島さんが登場だー。


・そういやちょっとした疑問なんだけれども、

TVアニメ版 『生徒会役員共』 ってのは、もう最終話まで完成しているんだよね?

それならどのスタッフが何話の制作に関わったも、もうとっくの昔に決まっているはずだよな……?

……つまり何が言いたいのかと言うと、今回8話目の脚本は小山知子さん単独だったのに、

アニメ雑誌では第8話の脚本が、小山知子さん・中村誠さん2名の制作になっている。

"どうしてアニメとアニメ雑誌とで、脚本の人が食い違っているのか分からん" という話。

単に出版社へ渡す情報に誤りがあっただけなのかなあ。謎だ。