今週の 『生徒会役員共』 「#611」 感想

・今週の 『生徒会役員共』 、「#611」 の感想。

今回は、ちょっと珍しい物を食べる話。

何を食べるかといえば、それは "蜂の子" !

地域によっては伝統的な昆虫食である (虫の描写は控えめなので、苦手な人でも安心して読める) 。



扉絵は、本編と同じ服装の横島ナルコ先生だ。

まさかこの落ち着いた大人の女性って感じの立ち姿から、この本編に繋がろうとは。

今回の横島ナルコ先生は下ネタを言わないこともあり、大人びた雰囲気がずっと保たれていたりもする。


開幕 【土の中から こんにちは】 は、話の導入。

とうに啓蟄を過ぎた4月ならば春であり、桜才学園の土中からも啓蟄の言葉通り虫が這い出るぞ。

虫を見て逃げ出す天草シノ!

このネタだけだと、新聞連載みたいなほのぼの4コマですね。

しかしこれは更なる狂騒の事態の序章に過ぎないのだった (大げさ


2本目 【おやつのじかん】 では、今回のメインテーマである "蜂の子" が登場だー。

ちなみに "蜂の子" で検索すると、もう幼虫の死骸とかモロに画像が出るのでリンクは貼らない。

実在の商品では、素材の姿をモロに押し出したパックで売っていたりもするようだ。

でもここで描かれる "蜂の子" は、商品ラベルで中身が結構覆い隠されたタイプ。

瓶いっぱいに蜂の子が詰まった様子も描けただろうに、覆い隠してくださっている。

氏家ト全先生の気遣いが感じられる。


3本目 【横島先生の恩師】 では、初めて聞く名前の先生が登場だ。

そのお名前は "徳川先生" 。

横島ナルコ先生の恩師というのも頷ける、かなりご高齢の男性教員だ。

ちなみにこの徳川先生、名前が出たのは今回が初めてだけれど、実は過去にも登場している。

桜才学園の忘年会 「#595」 では、小山リカ先生にお酌をしてもらう姿を見せていた。

そういや横島ナルコ先生は桜才学園出身だったっけ。

生徒だった頃にお世話になった先生が、今でも在籍してるってこともあるわけだ。

徳川先生は、横島ナルコ先生を学生の頃から知ってらっしゃる先生なのだろう。


それはともかく、この3本目は今回 「#611」 で唯一の下ネタ。

ファンタジー的な世界観で、巨大生物にエロい意味で襲われる金髪ツインテ剣士の図である。

他の4コマ6本は、何と全部が健全ネタ。

そして4コマ7本ともすべてが虫絡みのネタだー。

虫づくしの1話だ。


4本目 【くわしく】 では、大人のずるがしこさが炸裂した。

蜂の子に逃げ出す天草シノや萩村スズたち。

じゃあそれを徳川先生の旅行土産として差し入れた横島ナルコ先生がどうかと言うと……

やはり食べるには抵抗があったようで、天草シノたちを身代わりにするつもりだった魂胆が明かされた。

冷静な素振りなのに魂胆が見透かされるこのネタは笑った。


5本目 【純粋な善意】 は、津田タカトシの天然によるラブコメ的な雰囲気が発生だよ。

津田タカトシに蜂の子をあーんと食べさせてもらう提案に対する、この天草シノのリアクション!

まさか昆虫食という場面でもこのリアクションが引き出されようとは。

萩村スズとかどういう目でこのシーンを見てたのかなー。


6本目 【気になる年頃】 では、ついに蜂の子をパクパク食べだす天草シノたち!

ちなみに七条アリアが蜂の子を忌避する描写は無かった。

七条アリアも初めて蜂の子を食べるようだけど、抵抗はあったのかなー?

どういう気持ちで天草シノたちが戸惑う様子を、津田タカトシが食べ始める様子を見ていたのだろう。

たまたま紙面に描かれなかったというより、氏家ト全先生が意図して描かなかったようにも思える。

そしてこのオチはなるほど、ってうなった。

たしかに昆虫食って見た目とか栄養に気を取られるばかりで、カロリーって発想は二の次になるな。


ラスト7本目の 【ごちそうさま】 は、1,2本目からの成長を感じられるネタ。

虫を見て逃げ出していた天草シノが、「虫との距離が縮まった気がする」 とまで言っちゃうぞ。

じゃあそこへ本当に虫がやってきたらどうなるの? というのがこのオチだ。

成長はしたけどそうそうすぐには行かないよね、というほのぼの系でもある。

というか天草シノが虫から逃げ出す描写は、単行本2巻収録#2」 の初期からあった。

週刊少年マガジンに移籍しての2話目に描かれた "虫が苦手" という要素が今回一歩前進だ。

#2」 から 「#611」 へのロングパスと言えるかも。