アニメゴルゴ13酷いな……

・今週のアニメゴルゴ13 『スーパースターの共演』 があまりにも酷すぎる……


今回の狙撃内容は、

「依頼者の部下が狙撃手を雇って依頼者の暗殺を企むので、

依頼者が暗殺される直前に部下を殺害し、かつ依頼者暗殺は防ぐ」 というもの。


普通に考えたなら

「狙撃手を殺して依頼者の安全を確保してから、部下を殺害する」 と動けば良いのだけど、

これをゴルゴは、

1.部下は依頼者を車椅子に乗せて押すため、後ろに立っている

2.狙撃手は標的ロックオン後、銃口を若干上に逸らし、その後戻してから撃つ癖がある

という2点の条件を利用し、

「狙撃手が銃口を若干上に逸らして元の位置へ戻す最中に 狙撃手の引き金を撃って、

依頼者の後ろに立つ部下へ銃弾をぶち当てる」

という、神業というかありえなさすぎるプランを実行するわけですよ!


もう、「絶対タイミング合わないだろ!」 っていうか、

そもそも 「相手の狙撃手の腕が良くないと成立しないよねー」 という作戦なんだけど、

実は相手の狙撃手が、世界で5本の指に入ると言われるレベル。

その狙撃の腕前はゴルゴも信用するほどの、正に精密機械!

そんな狙撃手とゴルゴの働きで作戦が完了する!

だから 『スーパースターの共演』 ってタイトルな訳だ!


それをアニメ版では、

「相手の狙撃手は、酒を飲まないと手が震える」 という謎の設定を付与。

スーパースター性が薄れちゃってるじゃん!


また、映像の順序を 「部下が狙撃されるシーン → 引き金を撃たれた狙撃手の様子」 としたため、

単にゴルゴが部下&狙撃手を物凄く素早く撃ち抜いただけにしか見えなくなっている。

「相手のライフルを狙撃して自分の標的を狙撃する」 という、荒唐無稽すぎるから分かりづらい狙撃なのに、

(実際、原作を初めて読んだ時は何が起こったのか意味が分からなかった)

アニメで絵が動くようになって ますます分かりづらくなるとか何事だよ!


それからゴルゴの狙撃内容を相手陣営に筒抜けだったと変更した意味が分からない。

筒抜けになったことで新たなドラマが生まれた! という訳でもないし。

せいぜいゴルゴがマフィアに襲撃された程度? 襲撃シーン自体必要ないしな……


あとライフルの性能や狙撃スタイルなどの専門用語を、

原作セリフ通りに説明するというのも不親切。

「ニーリング」 と音で聞いて、一体何のことだか分かりますか? 射撃姿勢の一種なのだけど、普通分からないよ。

原作ならニーリングのセリフとポーズが同じコマに収められていて、

なおかつ 「膝射」 と文字で書かれているから、射撃の知識がなくても想像はつくようになっているのだが。


加えて、ゴルゴが狙撃前日にグーグルアースらしきサイトで

狙撃場所の映像を見るシーンを追加しているのもおかしい。

シーン自体はともかく、それは依頼を引き受けた次のゴルゴの出番でやろうよ。

作戦を立てた後に狙撃場所の下調べをしているように受け止められちゃうじゃないの。


以上、今週のゴルゴ13はそんな感じ。実に酷かった。

ついでに書けば、時代設定を現代に固定したのは好きじゃあないかなあ。

グーグルアースがあったら 『百人の毛沢東』 が出来ないじゃんよ。

各話ごとに西暦何年か変わりまくりでも視聴者は混乱しないだろうに。

原作読者だって、単行本古いの新しいの飛び飛びで読んでいるのだろうから。