サンデー・マガジンのDNA-週刊少年漫画誌の50年- レポ

・遅ればせながら、先週行ってきたサンデー・マガジンのDNA-週刊少年漫画誌の50年-の様子を報告するよ。

先に書いておくと、訪れた大目的である 氏家ト全作品関係の展示は一つも無かった。


武蔵小杉駅からバスで15分、徒歩30分の川崎市市民ミュージアムに到着後、

案内板に従って奥へ奥へと進んでいけば、最奥部に企画展示室2があるんよ。

こここそ、『サンデー・マガジンのDNA』 展が開催されている展示室なんです。

出展作品は、「サンデー・マガジンのDNA」展・ブログさんを参照されたし。


まず企画展示室2に入ってすぐは、赤松健先生と畑健二郎先生のコラボイラストがお出迎え。

マガジン側が久米田康治先生だったら面白かったのにね。

続いて両誌50年の代表作を列挙したイラストパネルを通り抜けると、

50周年記念大同窓会にて歴代作家たちがサインを寄せ書きした巨大Gペンを見れる。

まじまじ観察してきたけれど、当然氏家先生のサインは無し。そもそも大同窓会に参加していないはずだし。

このGペンの見所は、『波打際のむろみさん』 作者の名島啓二先生のサインかなあ。

もはや本人なのか違うのか分からないサインが、Gペンの最下段にこそっと書かれているの。笑った。


2本の巨大Gペンを通り抜けた先は、数々の展示がある大ホール。

展示されているものは、まず 両誌から選出された100作品の解説と原画1,2ページ分。

「ギャグ」 「学園モノ」 「スポーツ」 等、

各ジャンル別の代表的な作品の掲載歴を DNAのように螺旋状にまとめて記載したオブジェ。

おそ松くんカレー・ふりかけの発売当時のCMの上映。

サンマガ誕生から現在に至るまでの、

その時代ごとの世界情勢や流行をまとめたパネルや PS2週刊少年チャンピオン創刊号などのアイテム。

などなど。

このうちギャグマンガの歴史オブジェになら、『濱中アイ』 なり 『アイドルのあかほん』 なり 『生徒会役員共』 なり、

氏家作品の名前があるだろうと期待したのだけど これが無かった。

『レッツぬぷぬぷっ』 や 『脳みそプルン』 は名前が挙がっていたのに!


大ホールを抜ければ、後は出口へ向かうだけ。

出口までの通路には、あだち充先生と高橋留美子先生の作品歴を紐解いた展示や、

サンデー編集長が当時実際に使っていた 連載作品についての方針を書いたノートの一部を公開した展示やら、

あしたのジョー』 に使われた梶原一騎の手書き原稿など、漫画制作の舞台裏の資料が展示。

トキワ荘のミニチュアなんてものもあった。

っていうか 「梶原一騎用原稿用紙」 みたいに印刷された専用原稿用紙を使っていたことに驚いた。


そして最後に出口には、

この展示に出展された100作品の単行本第1巻を自由に読めるように置いてあった。

俺はその存在すらこの日に初めて知った、『釘師サブやん』 というマンガを読んできたよ。

なんだか 『包丁人味平』 の同じ原作者 & 作画担当者のタッグによる作品という事で、

なかなかに面白い作品でした。この日一番の収穫だったよ。


そうそう、書き忘れていたけど写真撮影は禁止だったよ。

また、8月16日以降から 展示されている100作品の原画が取り替えられたのだけれども、

これは原画が同じ作品の別の原画に取り替えられるだけで、別の作品の原画に取り替えられる訳ではないので、

「これから氏家先生の作品が新たに展示される」 って事は起きていない様子。


まとめ。

「特定のマンガのファンだから」 って動機で訪れると、肩透かしを食らうかも。

特に、今回の展示に選ばれていないマンガのファンの人は尚更だよ。

っていうか俺の事なんだけど。

『サンデー・マガジンのDNA』 という展覧会の名前の通り、

漫画雑誌自体に興味のある人は行ってみるといいんじゃないかなあ って思ったよ。