生徒会役員共 「#455」 感想

・2018年初回の 『生徒会役員共』 は、テレビゲーム編!

天草シノたちが津田家で1話まるごとテレビゲームに興じるエピソードだ。

遊びに出掛けたり、家の中で雑談や勉強で1話を過ごす話は何度もあったけど、家でのビデオゲームのみに徹底する話はこれが初めて。

おぉ、2018年早々から 『生徒会役員共』 に新しい風が吹き込んだって感じがある。


そんなわけで、今週の 『生徒会役員共』 感想。

2018年になっても話数カウントは1話ずれたまま (単行本でのカウントが正しい) なので、誌面と違って実際は 「#455」 となる話の感想だ。


今回の扉絵は、3DSらしきゲームをプレイする萩村スズ!

シチュエーションもさることながら、構図も新鮮味があって驚いたよ。


開幕 【おさそい】 は、「冬休みの宿題終わったー」 というセリフから始まるとこに優秀さがあるよね。

漫画で夏休み・冬休みの宿題といえば "明日もう始業式なのに宿題が全然終わっていない!" って登場が定番どころなのに。

天草シノたちにとっては当たり前に休み期間中に宿題を終わらせておくもので、思いっきり遊ぶならそれからみたいな感覚っぽいっすね。

「んじゃ一緒にゲームしませんかー?」 と、津田コトミでさえ宿題が終わるのを待っている。

宿題は後回しにしてゲームしましょうよみたいなセリフは無いし、実は宿題が終わっていない的なオチにもならない。

すげー何かこう、読者にとって模範とすべき行動を取る天草シノたちですね。

いや生徒会役員なのだからそれくらい優秀であるべきみたいな話なのかしら。

個人的には、氏家ト全先生が漫画かくあるべきみたいな考えでこうしているのであると良いなって。


そんなわけで津田コトミが持ち込んだゲームとは、ホラーアクションゲームでありました。

【鉄の心臓】 で描かれるゲーム画面とか、見る人が見れば元ネタとか分かったりするのかしら……描かれてるゲーム機はPS4っぽい。

それにしても、津田コトミだけでなく萩村スズと天草シノも正座なのはお行儀良いなあ、女の子座りする人いないのね。

津田家の飼い猫であるムラサメ君が 一緒にゲームを見てる形で登場するのはきちんとしてるなー。


萩村スズが秒速で魂抜けて、ラストステージに至る4コマまで出番が描かれなくなっていますが。

【みせプレイ】 とか見るに天草シノと七条アリアは道中もリアクション返してくれてるようだ。

4コマ目の反応とか正に天草シノと七条アリアならでは、ってインパクト。

ゲーム慣れしておらず下ネタ好き、という人物像を的確に活用してきた感じある。


そんなことより、最終回でもないのに氏家ト全先生の漫画でガチのパンチラが描かれたよ!

登場人物のパンチラではなく、テレビゲームのキャラクターのパンチラだからノーカンという判断なのかー?

まあ近年の例で言えば、『プチたん』 にて最終回でもないのに実際の登場人物のパンモロが描かれた過去もあったな。

"下ネタ漫画ながら登場人物のパンチラシーンは一切描かれなかったのに、最終回で登場人物が一斉にパンツ丸出し" という大仕掛け。

氏家ト全先生のデビュー作 『妹は思春期』 と 氏家ト全先生が初めて最終回を描いた 『濱中アイ』 がそういう最終回だったから、氏家ト全先生の漫画のお約束であるような気がしていたけど……

他の過去作品ではそういう最終回になっていないし、『生徒会役員共』 の最終回もパンモロエンドではないという意識なのかも。

最終回でパンツ丸出しにしないから、こうしてたびたび作中にパンツを描き入れているのかもしれない。


そういや今回珍しい要素は他にもあって、2,3ページ目の柱にある登場人物紹介が萩村スズだけだ。

コマの外側へと吹き出しやら効果音が飛び出しまくったおかげである。

なるほど確かに今回、出番は少ないながら主役は萩村スズであると言える回だしな。まあ納得。

「ゲーム好きで妄想癖あり。」 という普段毎週載ってる天草シノの人物紹介が、今回のゲーム慣れしてない様子と乖離してそうだからってのもありそう。

つーかこの 「ゲーム好き」 って部分、『生徒会役員共』 の連載開始当初に書かれた紹介から変更されないまま今日に至ったな。


次の 【ゲームセンス】 、これには笑った。

初プレイでこれとか天賦の才かよ……!

七条アリアの ある方面への卓越したゲームセンスだ。

つーかこのシーン、深読みすれば氏家ト全先生の漫画で初めて描かれたリョナネタじゃあないか!?

リョナやリョナ描写は今まで一度も作中でネタとして扱われなかったが、このテレビゲームでわざとダメージを受けてやられボイスを楽しむのだからリョナでしょ。

やべーな、2018年1発目から新しいジャンルへの開拓が怒涛の勢いかよ。


氏家ト全先生の描くホラーアクションゲームのラスボス像とは!?

それを見られるだけでも今週号は週刊少年マガジンの価値がマシマシだし、萩村スズがホラーゲームを直視して立ち向かうリアクションも最高では???

【ちからMAX】 というサブタイトルだが、ちから以外も色々とMAXになるクライマックスじゃんよ。

あとすげー細かいけど、3コマ目で驚いてるゲームキャラクターがいつもの氏家ト全先生の漫画の登場人物の驚き方で好印象だ。


天草シノと津田コトミが感涙するエンディングにも七条アリアは普段通りの表情だー。

最終ページのこの 【水】 、この七条アリアの返答もお前それで良いのか! 的に面白い。何だこの返答。


ラストの 【ホラーオチ】 、まさかこの萩村スズが伏線になっていたと思わなかった。

というか萩村スズが自分自身で仕込んだ伏線に自分自身でホラー要素を感じてビビるこの構成の巧みさ! すげーや。

今週号の内容すべてをまとめた津田タカトシのツッコミが見事でしょ。

まとめ能力の高さが半端ないぞ。


そんなわけで2018年最初の 『生徒会役員共』 の感想終了。

ちなみにあと約2ヵ月で最新単行本16巻が発売となりますが、その限定版は申し込み締め切り日が1月22日 (月) だ!

予約の締め切りがもうすぐなので、忘れないうちに申し込もう。