「仇討場は芝居をするところではござらぬ」

シグルイの10巻がやっと発売だよ! 待ちわびた!

9巻が中途半端なところで終わるから 「やっべーこの回想モード長いのかなー?」 とか懸念してたけど、

伊良子の邪悪さが損なわれる事無く あっさり本編に戻ってくれたので良し! 実にベネ。


そんな訳でタイトルは伊良子のセリフ。

もちろん牛股が言った 「道場は芝居をするところではござらぬ」 を皮肉った言葉。

劇中では数年間も経ってるというのに、初めてあった日の言葉を牛股に返すとか どんだけ性格悪いのこの人。

ほんと、虎眼流剣士も元虎眼流剣士も敵に回したら地獄だぜ!


本編自体は、9巻に引き続いて牛股地獄!

話的には進まないけど、空気が軋むというか この独自の物凄い緊迫感を読めるのはシグルイだけ!

牛股 vs 伊良子の決着シーンには、呼吸が止まるかと思ったよ。


・そういやシグルイ関係ないけど、ある種の感覚を突き詰めた空気を読めるマンガっていいよね。

何言ってるんだか自分でもよく分からないけど、ギャンブルフィッシュで敵役と対峙した時の絶望感は異常だよ!

世にギャンブルマンガは数あれど、「こいつに勝てるのか?」 って敵役の描写は 今一番ずば抜けていると思う。

超動体視力を持つ人相手にコイントス勝負! マジシャンディーラー相手にブラックジャック勝負!

ビリヤードチャンピオン相手にビリヤード対決! ダイススタッキングのプロ相手にサイコロ出目対決!

肝心のトリックは明かすタイミングや解説が説明不足だったりで微妙におかしいのだけれど、

どれも 「こんなの勝てるか!」 っていう絶望感が凄い。


・そして20日という事は、つまりマガスペ発売日! よいことですよねー。

そんな訳でマガスペの話なのだけれども、今月の読切マンガ 『吸血鬼とヨル』 がなんか面白かった。

あらすじするれば 吸血鬼への生贄に捧げられた少年と、生贄を欲してた父親は死んでしまっていた吸血鬼少女との物語。

2人が出会って成長していく物語ーというにはちょっと小規模なのだけど (1イベントこなしただけだし)、

そのアットホームな雰囲気が多分なんか良かったのだ! とか?


まあ私たち常人にはそんなバンバン成長していく選択はできないものであるために、

シグルイぐらい突き抜けてるならともかく 中途半端に 「主人公が決意したので強くなりましたー」 とか描かれても

「いやー実に少年マンガらしいねー」 的な感想しかもう湧かないのに対し、

こう微妙にヘタレってる成長物語な 『吸血鬼とヨル』 は共感できる成長物語だったので、

良かったと感じたのではないでしょうか、と。

あ、それと 主人公が決意したけど 「強い人は強い」 の図式が崩れなかったので、理不尽さがなくて良かったのかも。


ともかく作者の下田将也先生の次回作は是非とも読みたいものです。最近の読切の中ではかなり良かったな。