・ 「男子シングル永久出場停止処分を受けた元トップスケーター2人が、
ペアを組んでフィギュアスケート界への返り咲きを目指す」 というギャグ映画、
『俺たちフィギュアスケーター』 を観賞。
最初から最後までバカ映画ではあるけれど、途中からバカ映画としての質が違ってきた。
喩えて言えば、前半はヤングジャンプなんだけれど、後半は少年ジャンプになってる。
基本ストーリーは変わらないものの、段々と突拍子も無い展開が続くようになっていってた。
「ショッピングモール内でボウガンを持ち出し、主人公を狙撃するライバルキャラ」 とか、
「成功すれば優勝間違いなしだが、失敗すれば相手は死ぬ伝説の大技"鉄の蓮"(アイアン・ロータス)」 とか、
「"鉄の蓮"の実行をスケート連盟が許さなかったので、北朝鮮へ行って実行、見事に失敗」 とか。
これはこれで楽しかったけど、前半のノリの方が楽しかった分、
どうせなら最初からこういう展開にしておいてほしかったよ。
ただ、基本的に最初から最後まで笑える内容。
『アルマゲドン』 のテーマで滑るシーンとか、「ああ 『アルマゲドン』 嫌いなんだろうな」 とか思える出来。
有名解説者や名選手も大勢登場しているそうで、敬意を持ってバカにしているだろう事は分かった。
他、向こうの文化に驚いた話。
「ググった」 という言葉が普通に出てきたので驚いた。
もちろん翻訳の問題ではなく、「google」 と声に出している。
発言したキャラがキャラなので スラングなのかもしれないが、
向こうでは一般に知られている言葉なのかなあ、と。
もう1点。
ペアを務める主人公の1人は、とある持病を抱えている。それはセックス依存症。
作中ではこの病気を活かしたギャグが幾つも展開されるのだけど、
セックス依存症であること自体は、ギャグでなく普通の事として扱われているからびびる。
日本映画でセックス依存症を使った展開をやったら、
「セックス依存症に悩むものの、最後は克服して勝負の場に臨む」となるだろう。
しかしこの映画では、カウンセリングを受ける描写はあるものの、
結局克服できたかどうかは描かれない!
克服すべきハンデみたいなお涙頂戴の描かれ方ではなく、病気として普通に描写されている。
まるで単なる風邪みたいな扱われ方。なんか凄いな、と思ったよ。