今週の 『生徒会役員共』 「#634」 感想

・ついに "終わり" が来ちゃった。



今週の 『生徒会役員共』 感想。

まだ今回 「#634」 は最終回ではないけれど、「あっ これ最終回に向けた一歩目だ」 と伝わる内容。

連載終了の予告後に来た古谷サチコ主役回や轟ネネ主役回と違って、完結を意識した七条アリア主役回だ。

つらすぎる……


扉絵は七条アリア。

「今週はアリア回!!」 と、デカデカとアオリ文句が入ってるのを見たとき珍しいなとは思ったけど。

これって次号以降、「今週はスズ回!!」 「今週はウオミー回!!」 的パターンになりそうなやつだよね?

"『生徒会役員共』 完結のため、七条アリアと津田タカトシの関係性を今週で行くとこまで行かせます" 、

そういう主張のこもったアオリ文句なのだろう。


開幕 【ある日の放課後】 は、特別なことは何もない日常の放課後からスタートだ。

マジでこのときは今週もまた普段通りのエピソードだと思ったのに……

もう開幕の4コマ1本目から大オチに繋げるためのソーイングセットが出ていた。

ここから既に伏線が張られていたとは。


「危機せまる感じ」 は "鬼気迫る" と "(貞操の) 危機が迫る" のダブルミーニングか。

七条アリアは自身が脱ぐ露出プレイ好きだと何度も描写されたけど、他人に脱ぐのを迫るのはこれが初か。

実はこういうの、天草シノの方が津田タカトシ相手に一線越えそうなギリギリセーフな行為をしてるよね。

金的寸止めのポジションを取ったりとか。

七条アリアは意外と、自分自身で完結してる。

七条アリアは他人に対しては "プレイに目覚めたら良いな" と願うにとどめてる印象ある。

なのに目的が健全とはいえ 「脱いでくれるかな?」 と声をかける状況が来たのだから、そりゃ興奮するかー。

勘違いして全部脱いでくれないかな、とか内心思ってそう。


2本目 【よくあること】 の1,2コマ目は、ぶち抜きで津田タカトシと七条アリアのワンカットだ。

あっ、これ普段と違って1,2コマ目を分断する枠線もない!

普段のコマぶち抜きは、人物の後ろ前に枠線が来るのに!

完全な3コマ漫画だ、超絶特殊なパターンだ。

"普段とは違いますよ" という雰囲気を醸し出す工夫の積み重ねなのかなあ。

次号以降にも、こういう津田タカトシと誰かのコマぶち抜きワンカットが差し込まれるのだろうか?


オチは一応下ネタか。

お胸が今も成長している七条アリアである。

天草シノが不在で良かった……と思ったが、この場では見てなくても普段から見てるだろう光景か。

日常的にこれを見てるなら、コンプレックスが刺激されそう。

全校集会で生徒会メンバーが壇上に上がってるときにも、ボタンが弾け飛んだりしてるのかな……

漫画的には、どうしてソーイングセットを持ち歩いてるのかという疑問を解消するための4コマでもあった。

真の目的は 「大オチへの伏線」 なのだが、そこに別の解答を与えて伏線を隠してしまうテクニックだ!

氏家ト全先生の芸が光る。


3本目 【安全第一】 では、指を怪我しちゃう七条アリア。

「私はスピードにも定評が」 と自慢げな態度を見せた直後に、縫い針で指を突いちゃう失敗だ。

良いとこ見せようとして失敗する4コマ漫画の手本たる構成だが、『生徒会役員共』 としては異端である。

"他人を下げて笑いを取る" というのを氏家ト全先生の漫画では基本的にやらないって思い返させる4コマだ。

じゃあどうしてそれがここで描かれているかと言えば、大オチに向けた伏線であるからだった。


4本目 【応急処置】 では 『生徒会役員共』 らしい下ネタが来た。

七条アリアは貞操帯を穿いている日もあれば、ノーパンの日もあると描写されてきた。

穿き分けるきっかけが何かあったのかとは、今まで描写されてこなかったが……

「今日は恥部に絆創膏貼る日だから」 の発言により "日によって違う" との公式解釈が示されたと言えよう。

貞操帯の日もあればノーパンの日もあるし、絆創膏の日もある。

ペニパンを持っていることがあったのは、ペニパンの日だったからなのかもしれない。

ついでに、ブラもノーブラで乳首に絆創膏の日なのかもしれない、という妄想も膨らむ。

君の好きな七条アリア像をカスタマイズしよう。


5本目 【こまっちゃうなあ】 は!

うわー、最終回をひしひしと予感させる4コマだよ。

4コマなのに全くオチてない! 七条アリアが津田タカトシに対する思いを口にするのみの4コマだ!

ああ、これ最終回に向けて登場人物同士の関係を総括するための4コマだな、と直感で理解した。

終わりが来たわ。

作中で描かれる津田タカトシと七条アリアの関係性の、最も進んだところがこれってことだと思う。

だから最終回は、数年後とかに飛ぶことは無く、桜才学園在籍中か卒業式での終わりとなるはず。

そしてエンディングを予感させる4コマがこれってことは、おそらく最終回もしみじみ終わる系統だろう。

濱中アイ』 や 『妹は思春期』 のような全員パンチラエンディングではなく。

アイドルのあかほん』 や 『プチプチたんたんプチたんたん』 のような終わり方をすると思う。


最終ページ 【とりこみ中】 で、今回初めて天草シノと萩村スズが登場だ。

ここまでの4コマ全部、登場人物は津田タカトシと七条アリアだけってわけ。

もしも 『生徒会役員共』 のヒロインが七条アリア一人だったらこれが最終回です、という雰囲気ある。

そして張った伏線が回収されていく。

ソーイングセットも指の怪我もブレザーに血が付くのも、血痕 (結婚) のためのフリだったと。

結婚という突飛なボケを連想させるのは、さすが七条アリアの貫禄……というわけでもないか。

天草シノは、津田タカトシが三葉ムツミと結婚するのかってボケをかましたこともあったしな (単行本1巻 「#4」


ラスト 【私だけの秘密】 は、最後の大オチだ。

伏線がすべて回収されたと思わせておいて、残しておいた伏線であっと言わせるオチ。

下ネタ大好きお嬢様な七条アリアだけど、津田タカトシとの行為は 『生徒会役員共』 では間接キスまで。

そういう幕引きを感じさせる……

この4コマタイトルも、いかにも余韻を感じさせようという感じだし。

普段の4コマだったら "ドジっ娘アリア" とかのタイトルになってると思う。

というか、柱のアオリ文句はもっと直接的だ。

「エロボケ強めのアリア先輩。セクシーお嬢様キャラは永久不滅!!」 、永久不滅って!

これ、今回が作中最後となる七条アリア主役回だと知ってるから書けるアオリ文句だよね。

もう七条アリアがこうしてメインとなる話は無いのだ、と。


今週の感想終了。

完結まで残りあと6話!

もしや残り6話は、今週同様、津田タカトシと誰かの恋愛モノ寄りラブコメ的エンドを思わせる話なのか?

天草シノが最終回として、他は萩村スズ・魚見チヒロ・三葉ムツミ・横島ナルコ先生・森ノゾミあたりで。

いや最終回直前までがこういうノリで、最終回は桜才生徒会だけのしみじみエンドって可能性もあるか。


もし今後もこういう恋愛モノ寄りなら、七条アリアが最初に来たのは上手いなあって思う。

一番下ネタやプレイに積極的な登場人物だし、読者の期待がどこまでも膨らみそうな危険性あるだろうので。

七条アリアが最後とかだったら、津田タカトシの後ろが開発される展開とか期待してしまっていたかも。