今週の 『生徒会役員共』 「#638」 感想

・もはや 「次回最終回!」 みたいな雰囲気だ ※最終回は次々回です



今週の 『生徒会役員共』 感想。

今回 「#638」 は、前回 「#637」 からの続き物。

桜才学園のシンボルである桜の木を守るべく、署名活動する回だ。


扉絵は、署名活動中の天草シノたち。

あらすじを兼ねており、桜才マスコット:さくらたんの着ぐるみに身を包んだ津田タカトシもいる。

署名している人は、近所の子供としてよく登場する ふじのあすかちゃんだ。

さくらたんもふじのあすかちゃんも、出番の無いまま最終回を迎えそうだった顔ぶれだ。

完結前に色々な登場人物を再登場させようという、氏家ト全先生のファンサービスだよね。

学園外部の人に向けてさくらたんを使うというアイディアも見せており、純粋に上手い。


というかこれ、穿った見方を予防している! 凄い工夫だ。

今回って、主に桜才学園外部の人達が署名する話だ。

これって下手すれば、意地悪い発想にも繋がりそうじゃない?

"学園内だけで署名活動してたのに、運良く外部の人たちも署名に来てくれた" みたいな。

そういう邪推も働きそう。

でもこの扉絵は、その邪推の防止効果がある1コマだ。

天草シノたちは自ら学園の外にも署名活動の場を広げ、外部の人達にもアピールしていたのだ、と。

決して内々だけで盛り上がっていたわけではありません、そういう説明を兼ねている。

頑張りの証左を兼ねている描写だ。


開幕 【名前を書く】 は、署名の話。

署名の筆跡をきちんと変えているのは細かいなあ、津田コトミと轟ネネの筆跡は似た感じだけど。

そしてオチは、出島さんの署名。

ついつい出島さんが昔の芸名を書いてしまう、というオチだ。

うおー! こう来たか!

このように回収してきたか……!

これは打ち震えられるね。

このネタのどこが興奮に値するかと言うと、「出島サヤカの下の名前」 という未使用要素が回収されたことだ。

詳しくは前々回 「#636」 の感想で書いていたので読んでくれ。

おそらく氏家ト全先生も 「出島サヤカ」 の下の名前が一度も使われていないことを気にされてたのだろう。

だから最後に署名の場で、名前を使う機会を設けようと考えられたのだろう。

そこへ更に、出島さんの過去の職業 (AV女優と推定される) を絡める二重の工夫!

出島さんがAV女優だったときの芸名は、作中で明かされてこなかった。

秘密のまま最後まで終わるかと思いきや、ここでこうして名前の一部が明かされた。

未使用要素同士をただ使うだけでなく、組み合わせてネタとする巧みな工夫。

予想を超えてこられました。


ちなみにここで出島さんが書いた昔の芸名は、"出島サリー" ですが。

出島サリーがAV女優時代の芸名かと言えば、それは違うはず。

何故なら単行本17巻#484」 に、間違って芸名の"姓"を書くというネタがあるからだ。

つまり女優時代の出島さんは姓も名も、上の名前も下の名前も別であったことになる。

出島サリーは昔の芸名ではないはず
出島サリーは昔の芸名ではないはず


#484」 のオチでは、七条アリアが名前を検索して、女優時代の出島さんを発見する。

七条アリアは、以前から "サリー" という名前を知っていたようだ。


そして2ページ目からは、8コマ漫画が3連発!

【英稜生徒会役員共】、【生徒会OG共】、【思い出の場所】 というタイトルだ。

生徒会役員共』 をもじった4コマタイトルが2本連続で、第1話に繋がるタイプの最終回の味わいがあるね。

いやまだ最終回ではないけど。

それに細かく見れば、4コマ漫画×4本+8コマ漫画と分割できそうな構成だ。


2本目 【英稜生徒会役員共】 では、英稜生徒会の面々が来てくれた。

魚見チヒロは先週時点で事情を把握していたわけではなかったの……?

まあ気にするほどではないか?

青葉トオリと広瀬ユウの出番はあるけど、音羽フウカ先生の姿は無し。

音羽フウカ先生の出番は次回なのかなあ?

それとももう出番は無いのか、気になるところ。


英稜生徒会前半4コマのオチをウオミーが、後半4コマのオチを森ノゾミが持って行く。

魚見チヒロは先週の家族ネタ繋がりなのか、婚姻届けが飛び出るオチだ。

劇場版1にあった氏家ト全先生の脚本パート大オチを彷彿とさせるね。

森ノゾミの方は、津田タカトシが天然でドキドキさせるいつもの展開。

ひたすらに森ノゾミが可愛いオチだな……!


3本目 【生徒会OG共】 では、桜才生徒会OGの面々が来てくれた。

古谷サチコ、南野ナツキ、北山カヤが来て、新旧桜才生徒会役員共が全員揃った。

「季節外れの桜なんて 他人事と思えないしね」 の台詞を桜才学園OGに言わせるのは綺麗な構成すぎる!

"桜" 才学園を卒業して離れた面々が戻ってきて、学園のため活躍してくれる。

古谷サチコは個人的に "季節外れの桜" に親近感があるようで、それはファッションセンスのせいだった。

南野ナツキのセリフは、古谷サチコ全体を総括する感じがあるね。

あぁこれも完結間近だからこそのセリフか……と、しみじみしちゃう。


後半4コマは、北山カヤの独壇場。

スカートから生足を出しての色仕掛けかと思いきや、膝蹴りを示唆するための脚だった。

膝蹴りというか、金的だよねこれ。

この時点で予想外なのに、棒人間イメージ図の 「ありがとうございます」 のセリフも予想外で笑った。

そっちなのかよ…‥!? 二段構えのオチだ。

というか七条アリアならともかく、天草シノが一目で真意を見抜いているのは凄い。

もしや天草シノは、北山カヤの膝蹴りプレイを見たことあるのかも。

単行本21巻収録#599」 では、天草シノが津田タカトシに膝蹴りの金的未遂を仕掛けていたっけ。

あれは実は、北山カヤ直伝とかいう裏設定があったのかもしれない。


最終ページ 【思い出の場所】 は、まさに最終回1話前という雰囲気だ……! (最終回2話前です)

天草シノが桜才のシンボルである桜の木を守る真意。

それはこの桜の木の下が、天草シノたちと津田タカトシが初めて出会った場所だからであった。

う、美しい理由だ……綺麗なお話の収束ー。

まあそれはそれとして、速攻で1話目を読み直すなどしてしまったよ!

この桜、そんな場所にあるの?

第1話で津田タカトシと天草シノが初めて出会ったのって、校門抜けてすぐだよね?

駐車場の拡張で校門のそばの桜が無くなるのは……まあ可能性あるか。

でも出島さんが排泄プレイしてる桜が、外からも見えそうな校門のそばなの?

……我ながら嫌な読者だ、すみません。


この辺は、氏家ト全先生がアニメ版の影響めっちゃ受けてるなと思わざるを得ない。

だってさー、テレビアニメ1期 『生徒会役員共』 第1話Aパートタイトルが 【桜の木の下で】 だぜ。

そしてテレビアニメ2期 『生徒会役員共*』 第1話Aパートタイトルは、【また桜の木の下で】 だ!

ちなみに氏家ト全先生の描いた第1話目では、桜は背景として一応描かれている程度だ。

"初めて出会った場面" として繋がってるのは、もうこれ絶対アニメ版だよねえ。


そういう裏事情めいたものにニヤニヤしちゃったけど、絵としては綺麗だ。

桜の木の下で出会った回想シーンたる5,6コマ目、氏家ト全先生の漫画でこういう演出が!? と驚けるね。

桜の木を守りたい気持ちに気付き決意を新たにする津田タカトシの表情は、いつもよりキリリとしてるし。

しんみりしちゃう。


今週の感想終了。

連載完結まで、ついに残りあと2話!

これ来週どうなるのだろうなあ?

署名の届け先として、権藤リキゾウ学園長が登場するのは確実だろう。

でもそれ以外が想像つかないなー、誰が登場するのだろう?

今回出番の無かった音羽フウカ先生は、次回登場するのだろうか?

大門先生の姿も無いね、あと萩村スズ母の姿も無い。

さすがに今までの登場人物が全員再登場……とは行かないか。

来週いきなり道下先生とか津田ハナヨとか、動物病院の入江先生とか再登場したらどうしようね?

そういうタイプのギャグ漫画もあるけど、『生徒会役員共』 とは別ジャンルだ。


なお、次号の週刊少年マガジンでは 「最終回が載るマガジンの次号予告」 が掲載される。

マガジンの次号予告では、表紙がどうとか、巻頭カラーがどうとかも掲載される。

つまり来週発売のマガジンで 『生徒会役員共』 最終回の関連情報が多少分かるってことだよ!

気を付けよう。

生徒会役員共』 が表紙かどうかや、巻頭カラー企画の概要や、重大発表の有無も分かるかもしれない。

ちなみに今週のマガジン表紙には、天草シノと萩村スズのイラストが小さく載っていた。

最終回のマガジンで表紙を飾るための布石だったりしないかなあ。


最後にお知らせ。

週刊少年マガジンがJR山手線に応援広告を出しているそうだ。

もちろん 『生徒会役員共』 の広告もある。

生徒会役員共』 の名セリフポスターは、以下のURLで参照できるものらしい↓

https://shonenmagazine.com/special_page/magazine?=567998709809865

全然下ネタのコマじゃないのだな、笑った。

これって畑ランコのトラップに誘導されてるコマだぞ (単行本21巻収録#591」) 。


また、JR山手線内のテレビCMでも、週刊少年マガジンのCMが流れているらしい。

こちらのCMは、マガジン公式作品のTwitterアカウントに投稿されていた。

何故かマガジン掲載の 『ブルーロック』 という作品のアカウントでの投稿だ。

以下のツイートから 『生徒会役員共』 の登場シーンも見れる。