・今週の 『生徒会役員共』 は、ふじのあすかちゃん回!
「ふじのあすか、って誰?」 とお思いの方もいるかと思いますが、たまに登場する近所の子供です。
最近では 「#520」 で、近所の公園で砂遊びしてるコマに出てたあの子。
単行本13巻 「#340」 で初めて "アスカちゃん" と名前が呼ばれたあの子。
そんなあすかちゃんが、今回 「#543」 では初めて扉絵に登場だー。
そんなわけで今週の 『生徒会役員共』 「#543」 感想。
「ひまわり組のふじのあすかです」 と自己紹介もしてくれている。
"ひまわり組" は、氏家ト全先生の過去作 『妹はひまわり組』 から取られているのだろう、芸が細かい!
ちなみに扉絵アオリは 「スズのご近所さんのあすかちゃん!! ついにトビラに登場!!」 だった。
あすかちゃんが萩村スズのご近所さんという情報は、何気に単行本15巻 「#421」 で語られ済み。
開幕 【いろんな秋】 は、萩村スズとボアが登場。
というか今回は萩村スズと津田タカトシの物語でもあるでよ!
津田タカトシ要素は2本目以降として、この1本目は1コマ目に注目したい、良さがある。
萩村スズの小ささ、ボアの大きさ、落ち葉が散って秋めいた描写、いやー氏家ト全先生の画力向上がスゲェなと。
かつて描かれていたショート漫画と比べて1コマに描き込めるサイズは小さいのに、絵としての魅力は高まってる。
"食欲の秋" という定番ネタから、萩村スズとボアの関係性だからできるこのオチが導かれるのも見事ですよねー。
ギャグ漫画だからとドカーンと勢いあるのでなく、萩村スズが冷静にこう思っているのも丁度良いテンションだと思う。
そして2本目 【あすか画伯】 では、ふじのあすかちゃんが本編にも登場だー。
苗字の漢字は不明なので、"藤野あすか" なのか "富士野あすか" なのかは不明だ。
つーか何気に、名前がひらがなですね。
氏家ト全先生の漫画の登場人物は、下の名前がカタカナで表記されるのが通例だ。
あすかちゃんも初めて名前が呼ばれた回では 「アスカちゃん」 だったのに、今回は 「あすかちゃん」 とひらがなだ。
ひらがなの理由は、おそらく幼さを強調するためであろう。
別に作中の世界観として本名が "アスカ" から "あすか" に変わったわけではないはず。
展開としては、おぉっと氏家ト全先生の漫画でも何度か登場した行事、写生大会だー!
どうして何度か登場した行事かと言えば、言うまでもなく写生と射精をかけた下ネタとして使われたからですよ。
じゃあまさか、今回あすかちゃんが写生とかけた下ネタを言うのか……!?
そのような展開を予想させハラハラさせる意図があったかは不明ですが、写生大会なのに今回その下ネタは無かった。
氏家ト全先生が 『生徒会役員共』 で下ネタ以外の路線に転身しつつある……! (何を今更
いやまあ、「ほんのり下ネタ風味(30%減/当社比)学園4コマ」 であるとは連載第1話目のアオリで発表されたことですが。
あすかちゃんの被写体となってしまった萩村スズ。
続いて 【テリトリーに入ってしまった男】 では津田タカトシが登場だ。
セリフがほとんどないのに一体どういうやり取りが起きたかを絵だけで分からせる技巧派4コマだー。
目にハイライト無いアスカちゃんの無言の圧力が凄い。
続く 【今日のスズカラー】 は、8コマ漫画!
あすかちゃんと萩村スズと津田タカトシとボアで下ネタが起きるのかと思えば、これが今週唯一の下ネタである。
それにしても、この展開は予想できなかった。
このハプニング自体は 『生徒会役員共』 を通して何度かあるけど、このシチュエーションとの組み合わせが面白い。
動いちゃならない状況下でこれが起きて、しかもあすかちゃんを止めに行けないという状況の妙がスゲェな。
次の 【らぶ】 はサブタイトルがひらがななのが何か良いし、あすかちゃんの態度も良い。
柱のアオリでも指摘されてるけど、あすかちゃんの絵が上手すぎるな!?
あすかちゃん、幼稚園児ながら塾に通って算数の問題も解いているし、何やら利発なお子さんのようですね。
教育熱心なご家庭なのであろう、絵の上手さもそこから来てるのかな。
4コマのオチとしては、萩村スズが落ち葉を恋のオーラのハートに見間違えるというものであるけどさ、
これ、あすかちゃんが恋のオーラをハートに見立てた落ち葉で表現した、という天才児の可能性の深読みはできるな。
ラストの 【記念品】 では、天草シノと七条アリアが僅かに登場。
萩村家を訪れた天草シノたちがあすかちゃんの描いた絵を見付けるという、それだけだけど綺麗なオチだ。
えっ ……っていうか今書いてて思ったけど、これ綺麗にまとまってて凄いなこのオチ!?
萩村スズの内面を、このように表現するの神懸かり的すぎでは!?
類似パターンとして、絵を描かれて嬉しそうとか、絵をもらおうと頼むとか思い付くけど、このオチには及ぶまい。
写生大会後日談として今回全体をまとめるこのエピソード、よくぞ思い付かれましたな……!
秀逸だ。
氏家ト全先生の、話を綺麗にまとめるストーリーテラーとしての神髄を見せられた感じ。