「何なんだ この展開は…」

・もしも 「コッペリオンがおもしろい」 と言っている人がいた場合……

それは、"単行本の第何巻を読んでの感想なのか?" と注意する必要があると思う。

第1巻を読んで面白いと言っている人に 現在連載中の内容について意見を求めることは、

あまりよろしい趣味ではないだろう。ネタバレとかの話でなくて。

……つまるところ、今週号を読んで みんながどう思ったのか気になるなあ。

今週の 『COPPELION』 、「PHASE.14 【迷える砂】」 のあらすじと感想。


前回、"完成形のコッペリオン" としての兆しを見せ始めた深作葵。

難敵 円谷真奈を、空中浮遊や衝撃波など同じ能力で迎え撃って完全攻略!

覚醒深作葵は、円谷真奈を上回るレベルで同じ能力を使いこなせる様子。

こりゃあ深作葵が能力を使いこなせたら、たった一人で残りの2年生を全員制圧できそうだな。


「いわば円谷真奈のバージョンアップといったところかな?」

コッペリオンの開発者を自称する、ドクターコッペリウスからもお墨付きが出た。

そんなドクターコッペリウスを 市川迷砂が睨み付ける。

深作葵以外のコッペリオンはみんな失敗作なのか? と!

"自分が失敗作かもしれない" という事は、市川迷砂にとって我慢ならないことだったみたい。

市川迷砂は、自分が人間ではなくコッペリオンである事に対してプライドを持っているみたいだね。

それとも他人の上に立つことに喜びを感じるタイプなのかしらん。

"市川迷砂が怒ったのは、自分のためでなくて円谷真奈のため" という説を唱えてみたかったけど、俺には無理でした。


さて、そんな市川迷砂が ここで特殊能力を発動!

なんと、放射線マークの入った瞳を取り出すという変身シーンだ!

っていうか左目は義眼だったのね。オッドアイじゃあなかったのか。


場面転換。

一方 成瀬荊と覚醒深作葵は、勢いに任せて東京都庁を脱出だー。

深作葵は能力の使いすぎなのか、その場で睡眠モードに突入。

そんな深作葵を成瀬荊が木の棒でつついて様子を窺うシーンはかわいい。

成瀬荊が辺りを探索。

ふと気付けば、学生カバンが落ちている。

鞄の口を開いてみるに、なんと中身は……セーラー服!?



「核力‥‥ 核子を結合し原子核を安定化する強い力‥‥

これこそが膨大な核エネルギーの源泉であり

逆に このような力がなければ物質はバラバラに砕け散ってしまうだろう

核の力を自在に操り‥‥

粒子の砂となって虚空をさまよう――」



素粒子分解 それが市川迷砂の特殊能力だ」

 


……このマンガはどこへ行くの?


"ザ・フールのスタンド" っていうか、"スナスナの実" っていうか……

さすがにこれは、もはやSFでなくて超能力レベル過ぎるんじゃあないの?

"小津歌音が電気を操れる" とか、"抗放射線能力を持っている" とか、そんな次元からはるかにぶっ飛んだ気がする。

それともまさか、身体を粒子レベルに分解・復元できる生物とか実在しているのだろうか……?


ああ、第2部最終回はまったく擁護のしようがないけれど、それでも第2部は今から振り返れば真っ当だったなあ。

鉄グモの登場にはトンデモ感が一気に増したと思うけど、

それでもそれが、第2部ラストバトルのための出現だったと分かってからは、上手い仕掛けだと思えるようになったよ。

"見捨てられた自衛隊数十名が死都で対日本政府用決戦兵器として作り上げた" って設定はどうかと思うけど。

でも今度の第3部のこれは、さすがにちょっと別マンガすぎるんじゃあないか……?

それとも今後、"市川迷砂の素粒子分解が、こんな見事な伏線だったなんて!" と感動する日が来るんだろうか……?


純粋にバトルマンガとして見た場合には、井上智徳先生が こんな強力な能力を扱いこなせるのかが心配だ。

だってこれ、絶対 "打撃が効かない" 能力だよね。"粒子になっている間は電撃も効かない" とかの設定もありそうだ。

そんな強力無比な能力を、井上先生はちゃんと納得の行く倒し方してくれるのだろうか。

露骨に弱点っぽい、素粒子分解の制御装置だろう義眼を破壊して勝利とかの結末になるのだろうか?


あとこれは別に 『COPPELION』 に限った話じゃあないけれど、

"身体を砂とか水とか電気とかに変化させる能力" って、食べたものや髪の毛がどうなるのかっていつも気になる。

マンガだから胃の中の消化物は考えないとしても、髪の毛は元に戻ったら抜けちゃうんじゃあないの? 謎だ。


まあいいか。

とりあえず大事なことは、

"成瀬荊がカバンを開けなければ、市川迷砂は裸で出てくるしかなかったのに……!" ってことだよな。